滋賀県議会 > 2009-09-18 >
平成21年 9月定例会(第30号〜第35号)−09月18日-02号

  • "予防接種法"(/)
ツイート シェア
  1. 滋賀県議会 2009-09-18
    平成21年 9月定例会(第30号〜第35号)−09月18日-02号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    平成21年 9月定例会(第30号〜第35号)−09月18日-02号平成21年 9月定例会(第30号〜第35号)                平成21年9月滋賀県議会定例会会議録(第31号)                                       平成21年9月18日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成21年9月18日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第169号から議第199号まで(平成21年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか30件)(質疑、質問)            ─────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ─────────────────────────────── 会議に出席した議員(47名)    1番   川  島  隆  二  君   2番   奥  村  芳  正  君    3番   生  田  邦  夫  君   4番   野  田  藤  雄  君    5番   西  村  久  子 さん   6番   中  谷  哲  夫  君    7番   木  沢  成  人  君   8番   成  田  政  隆  君    9番   九  里     学  君   10番   柴  田  智 恵 美 さん
       11番   清  水  鉄  次  君   12番   佐  橋  武  司  君    13番   節  木  三 千 代 さん   14番   西  川     仁  君    15番   角  川     誠  君   16番   沢  田  享  子 さん    17番   江  畑  弥 八 郎  君   18番   今  江  政  彦  君    19番   西  川  敏  輝  君   20番   辻     孝 太 郎  君    21番   西  沢  桂  一  君   22番   田  中  章  五  君    23番   粉  川  清  美 さん   24番   石  田  祐  介  君    25番   宇  賀     武  君   26番   福  本  庄 三 郎  君    27番   蔦  田  恵  子 さん   28番   山  田  和  廣  君    29番   山  田  尚  夫  君   30番   辻        貢  君    31番   佐  野  高  典  君   32番   家  森  茂  樹  君    33番   吉  田  清  一  君   34番   辻  村     克  君    35番   世  古     正  君   36番   三  浦  治  雄  君    37番   中  村  善 一 郎  君   38番   上  野  幸  夫  君    39番   梅  村     正  君   40番   山  田     実  君    41番   西  川  勝  彦  君   43番   大  井     豊  君    44番   谷     康  彦  君   45番   中  沢  啓  子 さん    46番   出  原  逸  三  君   47番   青  木  愛  子 さん    48番   森     茂  樹  君            ─────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ─────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              嘉  田  由 紀 子 さん              教育委員会委員長        高  橋  啓  子 さん              選挙管理委員会委員長      伊  藤  正  明  君              人事委員会委員長        市  木  重  夫  君              公安委員会委員長代理      宮  川  孝  昭  君              代表監査委員          宮  村  統  雄  君              副知事             米  田  耕 一 郎  君              政策監             瀬  古  良  勝  君              総務部長            川  口  逸  司  君              県民文化生活部長        山  田  光  二  君              琵琶湖環境部長         西  嶋  栄  治  君              健康福祉部長          漣     藤  寿  君              商工観光労働部長        笠  松  拓  史  君              農政水産部次長         谷  口  孝  男  君              土木交通部長          川 那 部  隆  二  君              会計管理者           古  川  源 二 郎  君              企業庁長            山  下  和  幸  君              病院事業庁長          谷  口  日 出 夫  君              教育長             末  松  史  彦  君              警察本部長           名  和  振  平  君            ─────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            森  口     聖              議事調査課長          樋  本  伸  夫              議事調査課課長補佐       入  江  建  幸   午前10時3分 開議 ○議長(辻村克君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般報告 ○議長(辻村克君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  公安委員会委員長吉田修君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員宮川孝昭君が、また、農政水産部長福井正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として農政水産部次長谷口孝男君が、それぞれ出席されておりますので、御了解願います。  次に、副知事田口宇一郎君から、都合により本日の会議に欠席する旨の届け出がありましたので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(辻村克君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第169号から議第199号まで(平成21年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)ほか30件)(質疑、質問) ○議長(辻村克君) 日程第1、議第169号から議第199号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、18番今江政彦君の発言を許します。 ◆18番(今江政彦君) (登壇、拍手)民主党・県民ネットワークの今江でございます。会派を代表いたしまして、8項目にわたって質問させていただきます。  8月30日に実施されました第45回衆議院議員選挙において、私たち民主党に国民の皆さんの圧倒的な支持をちょうだいし、悲願である政権交代が実現いたしました。いわゆる55年体制、細川政権時代を除きますと、長年続きました自由民主党による長期政権が終わりを告げ、民主主義の根幹である選挙によって初めて政権交代を果たした歴史的な一日であったと言えるでございましょう。こうした歴史的な転換期であるときに、この滋賀県議会におきまして、国政における政権与党の会派として初めて代表質問をさせていだたく機会を得ましたことに心から感謝申し上げたいと思います。  小泉政権の誕生以来、規制緩和あるいは市場経済第一主義の政治が長く続きまして、その結果、あらゆる分野での格差が広がり、社会保障制度の予算も削減されてきました。そして、高齢者や障害者、母子家庭など、社会的に弱い立場にある人々に負担を求める後期高齢者医療制度障害者自立支援法による応益負担の導入、あるいは生活保護の母子加算の廃止などが強行されてきたという状況でございました。  また、それ以前には、税制における老年者控除の廃止などが行われまして、年金で生活する高齢者の皆さんの負担増は、はかり知れないものとなりました。当時、私は市役所で働いておりましたが、こうした負担に耐えかねて相談に来られる大変多くの高齢者の方々の悲痛な叫びをお聞きいたし、地方自治体ではどうにもできない国の制度の壁を感じるとともに、選挙や政治の力で県民の皆さんの生活を変えたい、そんな思いで地方政治の世界に飛び込んだことが、きのうのことのように思い出されることでございます。政権交代が実現しました今、民主党のマニフェストに従って、これらの制度が廃止や見直しの方向へ、そして、国民目線あるいは県民目線の政治に向けて大きく動き出したことに対しまして、身が引き締まる思いがしているわけでございます。  しかし、私たちは今回の選挙結果、これを単純に民主党の勝利としてはとらえておりません。国民の皆さんの政治へのやりきれないような不信感、従来型の政治や行政の機能不全に対する失望や怒りがこのような選挙結果にあらわれたのだと思っております。その意味では、すべての政党に投票された、すべての国民の皆さんが、真剣に日本の将来を憂い、衆議院解散から40日の間、考えに考えた結果、一票を投じていただいたのではないかと思っております。  そうでありましたら、この政権交代の勝利者は、まさに国民の皆さんであり、私たちは決して今回の勝利に慢心することなく、厳粛な覚悟を持って受けとめ、その責任を果たしてまいりたい、そのように思っております。また、これまで与党であった皆さん方とともに、一層政策を競い合いながら、国民の皆さんのための政治が進められることを強く望むものであります。  9月16日に召集されました特別国会において鳩山新総理が誕生し、民主党を中心とする連立政権の陣容も決定いたしました。滋賀県からは川端達夫衆議院議員文部科学大臣として入閣いたしました。コンクリートより人間を大切にする政治を目指す、そういう中で、この日本の将来を担う人材育成は急務であります。川端新大臣の卓越した手腕に大きな期待を寄せるものでございます。  16、17日に報道各社が世論調査を行われました。おおむね内閣に対する支持率につきましては70%を超えており、国民の皆さんの期待も大変大きいものがあると感じているところでございます。  さて、いよいよ国民の皆さんの暮らしのための政治が始まりますが、滋賀県を初め、県下市町などにおいても、地域主権の確立に向けて、これまで以上に地域の実情に合った行政サービスの提供が必要であります。そのためには、国と地方の関係も、上下、主従の関係から対等、協力の関係へと変わっていかねばなりません。  選挙前、地方分権に関して、全国知事会を初め、地方自治体の首長の皆さんから民主党に対しまして大変多くの御意見をちょうだいいたしました。これらは我が党に対する皆さんの大きな期待のあらわれであるとともに、同時に多く寄せられました御意見あるいは御批判に対しましても、それを謙虚に受けとめながら、ともに地域主権の確立を目指していきたいと思っております。  それでは、発言通告に従いまして、以下、すべて知事にお尋ねいたします。  まず、今回の政権交代に当たっての知事の所感につきましてお尋ねいたします。  総選挙直後の共同通信社による都道府県知事に対するアンケートでは、新政権に対して7割を超える35人が期待感を表明している一方で、マニフェスト実現のための財源確保について、約6割に当たる27人が不安を感じているという結果が報じられておりました。知事も選挙前には、地方分権のあり方や地方の財源確保について多くの意見を述べられていましたが、民主党中心の政権が誕生した今、どのような思いを持っておられるのか、改めてお聞きいたします。  次に、民主党の地方分権に対する取り組み姿勢については、総選挙前に実施されました全国知事会あるいは首長連合、21世紀臨調などの評価は分かれたところでございますが、地域主権の確立に向けた新政権の姿勢について、国の直轄事業負担金廃止、あるいは補助金の一括交付金化、暫定税率の廃止など各論の部分も含めまして、知事の評価をお尋ねしたいと思います。  また、国と地方の協議の場を法律に基づいて設置することについて、地方自治体から大きな期待を寄せられていますが、そのあり方について、知事の御所見を伺います。  次に、新政権において、川辺川ダム、八ッ場ダムなど、時代に合わない国の大型公共事業を全面的に見直す方針ですが、本県では大戸川ダムについて、中止後の新たなルールづくりなどの議論がなされてきました。国より先んじてダム建設の見直しに踏み切った知事の御所見をお聞かせください。  次に、知事は、政権交代後の県政運営に生じる課題の点検、あるいは政策提案のための新政権戦略チームを設置するなどの対応をされています。陳情行政と言われた今日までの国と県の関係から脱して、これからの真の分権社会にふさわしい、新しい国と県の関係の構築が必要かと思います。また、東京事務所などの機関のあり方も再検討しなければならないと思いますが、こうした国と県との新しい関係について、総論、各論を含めて、知事の御所見をお伺いいたします。  また同時に、基礎的自治体である市町と県の関係についても見直さなければなりません。今回の補正予算の中でも、下水道事業や土地改良事業における市町負担金の議案が提案されていますが、こうした費用負担の問題も含めて、これからの県と市町の関係がどうあるべきか、知事の見解をお伺いいたします。  この項の最後にお尋ねいたします。新政権の構想として、官僚丸投げの政治から政治家主導の政治への転換があります。官僚組織を、国民の皆さんの利益のためいかに機能させるかは、今日までの縦型の利権社会から横型のきずな社会へ、そして、中央集権から地域主権の社会を目指していくための大きな試金石になると思います。そして、今後、真の地域主権を進めていくためには、県庁においても政治家としての知事のリーダーシップと、それを支える県職員がその持てる能力を最大限発揮することや意識改革を進めること、いわゆる県庁力の最大化が重要であると思います。  しかし、これまでの県政運営の中では、知事と職員の思いが共有化できていない、あるいはコミュニケーションが不十分であるというような不満も耳にするところであります。日本の政治が大きく変わり、地方自治体の経営も大きく変わろうとする今、県庁力を県民の幸せのために最大限生かしていくためにも、県政運営に対する知事の姿勢について、改めてお尋ねいたしまして、次の質問に移ります。  次に、平成22年度県政経営の基本方針および予算編成についてお尋ねいたします。  県財政は、県内経済の不況や厳しい雇用環境の中で、来年度は財政構造改革プログラムや、収支改善に向けたさらなる見直しを実施しても、なお230億円の財源不足が見込まれるという非常に厳しい状況にあります。しかし、その中にあっても、県はその使命をしっかりと果たしていかなくてはなりません。  そのためにまず求められるのは、行政改革へのさらなる取り組みであります。基本方針では、簡素で効率的な組織、機構の見直しや一層の定数削減などに取り組むとされておりますが、具体的な構想はあるのでしょうか、お尋ねいたします。  次に、滋賀県行政経営改革委員会の、外郭団体および公の施設の見直しに関する提言についてお尋ねいたします。  県は多くの事業を外郭団体に委託してきました。統廃合や県の関与の縮小を否定するものではありませんが、そうしても、必要な事業は円滑に実施されることが担保されなければなりません。外郭団体に関する今回の提言を、知事はどのように受けとめておられるのか、お尋ねいたします。  また、それぞれの団体にはプロパー職員もおられますが、その処遇はどうされるのか、あわせて御回答願います。  さらに、県立施設の廃止、移管、売却につきましては、市町や地域住民の意見を十分聞くとともに、地域的バランスにも十分配慮する必要があります。県財政の厳しさのしわ寄せを市町や住民に押しつけるような印象を与えては、基本方針で示されております対等のパートナーとして一層連携協力していく市町との関係を築くことはできないと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、来年度の予算編成についてお伺いいたします。  民主党は、予算の抜本的な組み替えを公約しておりますが、これによる来年度予算への影響をどのようにお考えか、まずお尋ねいたします。  滋賀県では平成22年度予算を編成するに当たって財源不足が230億円に及ぶことになることから、その収支不足を解消するため、事業見直しを進められているようであります。そのような中で、今月8日の新聞紙上では、県の裁量がきく独自の政策経費約200億円のうち、3割に当たる65億円分をカットするとの報道がございました。ただでさえ少ない県独自の政策経費を3割もカットすることは県民に重大な影響が及ぶものと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、事業の削減をするに当たり、事業の選別をより厳格にして、めり張りのきいた指示を出すべきだと考えますが、知事の御所見をあわせてお伺いいたします。  次に、東海道新幹線新駅課題対応基金の取り崩しに関する報道についてお伺いいたします。  厳しい財政状況の中、財政調整基金県債管理基金を取り崩すことは当然でありますが、東海道新幹線新駅課題対応基金まで一般財源化するとの報道がありました。これについては、栗東市を初め、周辺自治体の市長も基金の存置を求めて要望書を提出されましたが、土地区画整理区域の跡地利用の後継プラン、あるいは(仮称)南部地域振興プランがまとまっていない中での知事のコメントは、いかにも唐突の感がありました。この件に関する知事の見解をお伺いいたします。  また、定例会初日の所信表明では、知事はこの基金に関して、県南部地域の振興や土地区画整理事業への対応といった諸課題に一定の方向性が見えた段階において基金条例の取り扱いを検討することとしており、今後も課題の解決に取り組み、11月県議会までには諸課題に一定の見通しを立てたい、その上で、11月県議会において基金条例の改廃を提案したいと述べられましたが、一定の見通しとは、区画整理の後継プランや県南部地域振興の計画策定の完了を指すのでしょうか、お答え願います。  次に、事業の枠組みについてお尋ねいたします。  知事は来年度予算事業につきまして、基本構想の戦略的な取り組みに示された5項目の施策を実現する事業に最優先で取り組むとされています。雇用の創出を新たに盛り込んだ優先事業の方針は理解するところではありますが、当然、投資的事業や文化的事業へのしわ寄せが予想されます。そのバランスはどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
     次に、個別事業についてでございますが、毎年問題となる福祉医療費助成事業についてお伺いいたします。  知事は、この事業を、制度を安定的に維持するために見直しも含めて市町と十分話し合うとされていましたが、結論は出たのでしょうか。来年度予算での位置づけも含めて、お尋ねいたします。  次に、予算編成の「見える化」についてお伺いいたします。  今年度の予算編成で初めて実施された「見える化」について、どう自己評価されているのでしょうか。私たちはむしろ、政策の方向づけや、どのように予算のめり張りをつけるかなどの段階を「見える化」の対象にすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いし、次の質問に移りたいと思います。  次に、新型インフルエンザ対策に関してお尋ねいたします。  今やどこで発症してもおかしくないほど県下各地で新型インフルエンザの患者が拡大してきております。新学期が始まり、各地で集団感染が確認され、学級閉鎖が出るなど、改めてその感染力の強さに驚くとともに、スピーディーな対応の必要性を感じております。患者は流行入りから8ないし9週間でピークを迎えると言われておりますが、そのピーク時が10月上旬には訪れるとも言われております。そこで、以下、お尋ねいたします。  まず、6月議会の代表質問において我が会派は、新型インフルエンザへの対応について、どのような方法でいつごろまでに総括し、今後にどのように生かしていくのかお尋ねしたところであります。知事は、関係者や市町の意見を聞き、課題整理を行った上で、秋、冬のインフルエンザ流行期に間に合うように対応していきたいと回答されたわけですが、いつどのように総括されたのか、また、課題はどんなところにあり、これをどのようにされようとしているのか、お尋ねいたします。  また、県民の不安感が広がっていますが、これにより、県民への安全に対するメッセージは出せるのか、あわせてお尋ねいたします。  次に、厚生労働省は8月28日に、国内の新型インフルエンザ流行時の入院者数や重症者数などを予測した新型インフルエンザ流行シナリオを発表いたしました。同日、各都道府県に対して、シナリオをもとに、地域の人口や年齢構成を加味した試算に対して、医療機関のベッド数や人工呼吸器の保有数など医療体制の調査を行うよう要請されたと仄聞しておりますが、滋賀県における推定入院者数、重症者数はどの程度であり、これに対応できる医療体制は整備されているのでしょうか、お尋ねいたします。  県の新型インフルエンザ対策行動計画では、最大受診者数は約27万人、1日の最大入院患者数は約1,080人とされており、これに基づいて行動計画が進められていますが、その整合性はとれているのでしょうか、お尋ねいたします。  さらに、この問題は、当然、県下各保健医療圏域においても言えることでありますが、保健医療圏域ごとに見た場合においても、推定入院者数、重症者数と医療体制について問題はないのかどうか、お尋ねいたします。  次に、新型インフルエンザによる死亡者が、疑いも含めて15名ほど国内で発生しております。ほとんどが基礎的疾患を持った人の重症化によるものと言われていますが、中でも、小児、妊婦、透析患者等については専門治療が必要と言われております。厚生労働省がさきに、これらの患者が重症化した場合に備えて、受け入れ可能な医療機関に対する各都道府県の協力要請の有無について調査された結果、協力要請をしていた都道府県が半数以下であることが報道されていましたが、小児、妊婦、透析患者ごとの滋賀県の状況についてお尋ねいたします。  また、協力が得られる医療機関は多くはないと思われますが、一般患者の集中化も考えられることから、これらの情報の取り扱いについても、あわせてお尋ねいたします。  最後に、予防接種には、予防接種法による定期・臨時接種と法定外の任意接種がありますが、厚生労働省は、低所得者については公費による負担軽減措置を講じるものの任意接種とする方針のように聞いております。原則として自己負担となるわけで、その金額も、現在の季節性インフルエンザと同様に、仮に2回接種が必要としますと6,000円から8,000円程度になると聞いております。この金額は家庭にとってかなりの負担であり、接種の優先順位が決まったところで、多くの人が接種を受けないことが考えられるわけでございます。新型インフルエンザに対するいろいろな対策が進められる中で、予防接種は感染拡大を防ぐ重要な対策であると思います。  アメリカやフランスでは無料実施の方向で進んでいると聞いております。知事は、公衆衛生上、国策として予防接種法に位置づけることを国に対して強く申し入れるべきと考えます。国において対応されないときは、少なくとも県における補助制度を考えるべきだと思いますが、知事のお考えをお尋ねいたしまして、次の質問に移ってまいります。  次に、経済・雇用対策についてお尋ねいたします。  まず、景気対策についてお尋ねいたします。  これまでの景気対策は大半が公共事業中心でしたが、一方、民主党の景気対策は、生活をよくすれば経済はよくなるという考えのもとに家庭を直接支援する内容が特徴となっております。知事は、内需拡大や県民生活重視の姿勢をとられていますが、この民主党の景気対策について、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、滋賀県の経済・雇用対策について、以下、お尋ねをしていきます。  8月の滋賀県経済指標では、県内景気は、厳しい状況は続いているものの、下げどまっていると公表されました。しかし、滋賀県の雇用失業情勢はさらに深刻化しており、8月に滋賀労働局から発表された雇用失業情勢においては、7月の有効求人倍率は19カ月ぶりに前月を0.01ポイント上回り0.35倍となったものの、有効求人数は19カ月連続で減少、非正規労働者の雇いどめ等について8月18日時点で5,872人と、月を追うごとに増加しております。特に、滋賀労働局が9月11日に発表いたしました平成22年春の高校新卒の7月末の求人倍率は0.66倍と、昨年同期の1.43倍に比べまして半分以下に落ち込んでおります。1倍以下は4年ぶりとのことで、新高卒者の就職活動はさらに厳しい状況となっています。  確かにエコポイントあるいは自動車産業の盛り返しが改善の要因として挙げられてはおりますが、一方で非正規労働者の解雇など雇用調整をすることによって景気の一時下げどまり感が出ているのではないかとも言われております。  まさに雇用情勢は悪化しております。知事は県内の経済・雇用情勢をどう認識しておられますか。また、これまで緊急雇用対策として、さまざまなメニューを実施されてきましたが、現在の進行状況、その成果、今後の見通しについてどのようにとらえているのでしょうか、お尋ねいたします。  次に、抜本的な雇用創出として、グリーンニューディール計画など、さまざまな議論がされておりますが、その中でも、特に期待されているものとして第6次産業化があります。その点について、以下、お尋ねします。  民主党は現下の緊急課題として、農林漁業、農山漁村の再生に取り組むこととし、その取り巻く事情の変化等を十分に踏まえ、農山漁村の第6次産業化を推進する観点から、「農林漁業・農山漁村再生に向けて〜6次産業化ビジョン〜」を策定し、これを強力に実施していくことを打ち出しています。つまり、生産、加工、流通までを一体的に担うことで第6次産業化を進め、農山漁村を活性化しようとしています。新たに起業を促進していくなど、滋賀県の農業の第6次産業化への取り組みについて、知事の所見をお伺いいたします。  また、民主党が戸別所得補償制度を掲げており、販売農業者を対象に所得補償交付金を交付することによって自給率の向上を図ろうとしております。この政策についての知事の御所見も、あわせてお伺いいたします。  次に、子育て支援についてお尋ねいたします。  先般の衆議院議員総選挙で我が民主党は、マニフェストの5つの約束の中の1つに、子育ての心配をなくし、みんなに教育のチャンスをつくるための子育て・教育の支援策といたしまして、中学校卒業まで子供1人当たり月額2万6,000円を支給するとした子ども手当、公立高校生の授業料無償化、大学生、専門学生の希望者全員が受けられる奨学金制度の創設、空き教室などの活用で保育所をふやし、待機児童を解消するなどの政策提言をいたしました。この支援策は、有権者の皆様に大きな反響を呼びました。このことは、言うまでもなく子育て支援への関心の高さのあらわれであり、有権者の皆さんから大きな期待が寄せられたところでありますが、この民主党のマニフェストに掲げた子育て、教育の支援策を知事はどのように評価されたのか、お尋ねいたします。  本県は既に滋賀県基本構想の中で、社会で子育てを支えるとし、育ち、育てる環境づくりの政策展開がなされていますが、今月7日、厚生労働省の調査で、認可保育園への入園を待つ児童の調査結果が発表されました。その内容は、ことし4月現在の待機児童が全国で2万5,384人、前年同月と比べ5,834人ふえたとの報道でありました。そして、現在の方式で統計をとり始めた平成13年以降、今回の増加数と増加率が最大の数値であることを受けて、厚生労働省は、不況で配偶者が職を失ったり収入が減ったりし、子供を預けて夫婦共働きしようという人がふえ、施設整備が追いつかないというふうな分析をしています。  本県も待機児童解消に向けての取り組みで、基本構想の成果指標に、平成22年度には待機児童0%を掲げておりますが、現在の進捗状況と、今行われている政策効果がどうなのか、お尋ねいたします。  また、本県のいまだ厳しい県財政、先行き不透明な経済状況の影響によるしわ寄せが子供たちに行っていないか、懸念しております。さらに、保育事情がよくなれば働きたいという潜在ニーズもまだまだ多くあると考えますが、現在の待機児童の現状とその対応についてお尋ねいたします。  また、厚生労働省の分析にありました施設整備についてでございますが、財政が厳しい状況の中での整備となると、進まない現実があると推察いたします。国の認可の基準等がある中で、認定こども園あるいは既存施設の有効活用などを視野に入れた方策はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  ところで、これは新しい情報ですが、8月1日現在で141人の待機児童を抱える大津市が、この9月市議会に、県内で初めてスタートさせる制度であります、保育士や看護師の資格を持つ人が自宅で子供を預かる保育ママ事業導入準備のための調査費を提案し、本格的導入の来年下半期に向けて動き始めました。このような動きをどのように見ておられるのか、お尋ねいたします。  また、本県の総人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、平成27年前後をピークに減少に転じ、平成47年にはおよそ135万1,000人になると予想されています。この予想が現実のものとならないためにも、次の時代を支えてくれる子供たちの子育てをしっかりと社会で支えること、そのことは私たちの社会的責任であり、さらに、地方を衰退させない大きな手だてと考えますが、仕事と子育ての両立をこなしてこられた経験のある知事の、社会が支える子育て支援への思いをお聞きし、次の質問に移ります。  次に、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。  局地的に発生する竜巻や集中豪雨、長い梅雨が終わった途端に秋風が吹き始めた短い夏など、地球温暖化に伴うと思われる気候変動は、年を追うごとに私たちが実感するまでになってきております。琵琶湖では、冬には表面水と深層水がまざり、深層へ酸素が供給される、いわゆる琵琶湖の深呼吸とも呼ばれる全循環が見られます。しかし、冬の冷え込みが少なくなったり、雪の降る量が極端に少なくなることにより、全循環が行われにくくなるなど、琵琶湖の環境保全の立場からも地球温暖化対策は、大きな県政課題であると認識して取り組むべきと考えるところでございます。  今回の総選挙において民主党のマニフェストには、地球温暖化対策として、中期目標として2020年までに1990年比で25%削減を目指すことを掲げております。鳩山総理も、9月7日に行われた朝日地球環境フォーラム2009でのスピーチにおいて、政治の意思として、あらゆる政策を総動員して実現を目指していくと実現への強い思いを表明し、この意欲的な目標設定と実現に向けての強い覚悟は国際的にも高い評価を受けているところでございます。  滋賀県においてもこれまで、2010年に1990年比で温室効果ガス排出量9%削減を目標とした地球温暖化対策推進計画を策定し、また、温暖化対策の長期計画として、持続可能な滋賀社会ビジョンにおきましては、2030年度における滋賀県の温室効果ガス排出量を1990年比で50%削減するとの目標を掲げておられます。  そこで、まず、知事は今回の新政権における25%削減という削減目標をどのように評価しておられますか、お尋ねいたします。  次に、鳩山新総理は、あらゆる政策を総動員して実現を目指していくという強い意欲を示されたように、今後、新政権においてさまざまな具体策が検討されるものと思います。その過程におきまして、滋賀県が掲げる目標の実現に向けて、どういう形で国との政策連携をされようとしているのか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  次に、新政権が掲げるこの目標設定については、国内では、経済界を中心に反発する声も上がっておりますが、これに対して鳩山新総理は、企業も努力していくべきと、地球温暖化防止への一層の理解や協力を求めており、気候変動問題への積極的な取り組みが、電機自動車あるいは太陽光発電を含むクリーンエネルギー技術など、日本経済に新しいフロンティアと新しい雇用を提供すると、時代に即した新産業の成長にも期待を示しているところであります。  従来の化石資源、化石エネルギーに依存した産業構造をそのままにしていては目標の実現は難しいと思われますが、一方で、太陽光や風力、バイオマスといった再生可能なエネルギー、電気自動車、燃料電池など、新しい環境ビジネスが台頭しようとしております。  新しいビジネスの創出や、既存産業を脱化石型、循環型へ誘導していく適切な産業政策を実行することで、化石エネルギー依存型産業社会にかわる脱化石エネルギーを基調とした産業社会を生み出すことが可能ではないかと考えられます。新産業の創出が温室効果ガス削減の目標実現の大きな原動力になると思われるわけでございます。  滋賀県においても、こうした新しい産業の振興を視野に入れた取り組みを進めることが、2030年のCO2を1990年比半減という目標実現の大きなかぎになり、環境分野に力を入れてきた滋賀が新しい産業創造をリードする役割も果たしていくことにつながると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  また、滋賀県内においては、太陽光発電の普及を進める市民共同発電所、あるいはバイオマスエネルギーに注目した菜の花プロジェクトなど、全国的にも先進的な取り組みを進めるNPO活動が進められております。温暖化対策においては、行政の努力だけでなく、今の暮らし方を循環型に転換していくために、こうした市民の自立的なNPO活動とのさらなる連携と支援、協働を進めることが、目標実現には大事であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、2030年温室効果ガス1990年比50%削減の達成に向けた行程表、いわゆるロードマップについてお尋ねいたします。  高い目標の実現に当たっては、エネルギー需要を減らし、エネルギー効率を高め、温室効果ガスの排出の少ないエネルギーに転換するなど、低炭素社会の実現に向けての総合的な取り組みが必要であります。その具体化に向けてロードマップづくりを進めておられると聞いておりますが、現在の進行状況と今後の見通しはどのようなものなのでしょうか、お尋ねしたいと思います。  また、ロードマップの実現のために財政的な試算をどのようにされているのか、これもあわせてお伺いし、次の質問に移ってまいります。  次に、造林公社問題についてお尋ねいたします。  この間、造林公社問題については2つの大きな出来事がありました。1つは、去る9月4日に、造林公社問題検証委員会が知事に報告書を出されたことであり、もう一つは、「民主党マニフェスト+(プラス)滋賀」において、借入金の利子相当額を国が肩がわりするなど、国の一定の支援によりまして県の負担を軽減することを掲げた民主党が、この総選挙において大勝したことであります。  滋賀県において、将来世代へのツケをできるだけ少なくしていくためには、この造林公社問題への対応に全力を挙げなければならない中で、この2つの出来事を高く評価したいと思います。そこで、この2つの出来事をもとに質問いたします。  造林公社問題検証委員会においては、これまでの経過を丁寧にたどりつつ、できるだけ、問題を生み出した原因とメカニズムやプロセスを明らかにしようと努力されており、その御努力に敬意を表するものでございます。その上で、造林公社問題検証委員会の報告においては、滋賀県造林公社とびわ湖造林公社に関する、これまでの国や県の政策、そして、造林公社運営についての事実が明らかにされ、造林公社が経営悪化に至った要因の分析が行われております。  この報告書の中で、融資による林業公社方式による造林は適切だったのかという視点から、造林公社問題検証委員会は、この方式の見通しの甘さを指摘し、旧農林漁業金融公庫融資、分収造林方式で造林する枠組みは無理と矛盾をはらみ、政策的誤りがあったと述べています。また、債務が累積していく過程で事業の見直しや中止はできなかったのかということに関しては、継続的に両造林公社と接触があり、チェックができた旧農林漁業金融公庫の責任が大きいと述べております。  そして、累積債務の処理については、国が責任に応じた負担や積極的な解決を図ろうとしないのは国民の納得を得られない。旧農林漁業金融公庫は国の政策を金銭的に支えており、責任を共有すべきであるとし、国が債務処理を公庫と県の二者の問題にすることは責任の放棄ではないかと結論づけております。  こうした3つの視点から造林公社問題検証委員会の報告を踏まえると、国および公庫における責任は大きなものがあると考えられます。  そこで、まず、知事はこの報告をどのようにとらえているのか、また、この報告を踏まえて、国や旧農林漁業金融公庫に対して、その責任をどのように求めていこうとされているのか、お尋ねいたします。  この問題に対しては、既に述べましたように、今回の衆議院議員選挙において、民主党では「民主党マニフェスト+(プラス)滋賀」において、借入金の利子相当額を国が肩がわりするなど、国の一定の支援により県の負担を軽減することを掲げ、国の責任を求めていくことを有権者の皆さんへのお約束としております。滋賀県と同じように、林業公社問題において、その累積債務処理に悩む地方自治体は数多く存在いたしますが、その対応は、まさにさまざまであります。  そのことを踏まえながら、「民主党マニフェスト+(プラス)滋賀」で掲げられた、国などの責任を求めていくためには、地方の側においても、関係ある自治体とのさらなる連携が必要だと思います。提案説明において知事は、関係府県とも連携して債務問題の抜本的解決に向け、国に引き続き働きかけていきたい旨の発言をされていますが、関係府県との連携に向けて、具体的にどのように臨もうとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、報告書では、「損失補償契約がどうであれ、県民が債務の全部あるいは大半を負担するのは、社会的正義から妥当とは言えない。国、公庫、県、両造林公社、下流団体、それぞれに責任があり、その割合に応じた処理や対応が必要」としております。下流団体の責任についても言及していますが、この報告書と同じ認識をお持ちならば、今後、具体的にどのような対応をすべきであるとお考えでしょうか、お伺いいたします。  特に、下流府県との特定調停についてはどのような進捗状況なのでしょうか。現状と見通しについてお伺いいたします。  また、県自身の責任というものをどのように考えておられるのか、両造林公社をこのような状態にまでした県の経営責任についての御所見をお伺いいたします。  報告書では、「この問題は長い間、県民の気づかないところで進行し、県議会や第三者のチェックが働かなかった。今後の林業・森林政策には十分な情報の公開、県議会等のチェックが必要」という指摘もなされております。県議会の議事録を振り返ってみますと、早くから造林公社問題には疑問が提起され、その都度、造林公社の経営や将来についての見通しに対しても質疑が行われてきています。にもかかわらず、執行部からは適切な回答が行われず、議会もそれ以上の追及ができないままで事態を悪化させてきたように思っております。  議会側としても、この反省の上に立ってのチェック体制のあり方を検討しなければならないと痛感しているわけでございますが、執行部側から県民に対しての情報開示や説明責任を、今後どのように働かせる仕組みが必要とお考えでしょうか、お尋ねいたします。  この項の最後に、報告書では、今後、両造林公社の営林地については県民の大きな関心事であり、慎重かつ科学的な検討を行い、明確で適切な方針を打ち出し、最適な手法やコスト負担の仕組みを選択できることが、造林公社問題の真の解決に必要と述べていますが、両造林公社合わせて2万ヘクタールに及ぶ営林地を、将来世代に向けて価値の高まる営林地としていくことが求められております。過去のツケを最小限度にするだけでなく、今ある営林地の価値増進に向けまして、今後、どのような方針で臨もうとされているのでしょうか。  提案説明において、公社の抜本的改革を図り、新たな経営計画の策定を進めるとともに、森林の新たな価値を発見していくと述べられておりましたが、具体的にいつまでにどうしようとされているのか、お伺いいたしまして、次の質問に移ります。  最後に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題についてお尋ねいたします。  私たち民主党は、去る第45回衆議院議員選挙の「民主党マニフェスト+(プラス)滋賀」で、現在、県財政を圧迫し、県民生活に悪影響を及ぼしかねないとされますアール・ディエンジニアリング最終処分場問題の解決のため、平成25年3月31日で期限が切れます産廃特措法の期限延長法案の国会提出、成立を図り、この問題に対して国の支援を継続させるとともに、多額の費用を要します有害物質除去に対しまして全面から取り組むことを県民にお約束いたしました。  一方、地域住民の皆さんの多くが、有害物がそこにあることの不安を日々お持ちの現状がございます。そして、こうした不安を安心に変える対策に、知事の今任期中に積極的に取り組んでいただけるものと、今も希望と期待を持っておられます。政権交代し、知事の1期目の任期が残り1年を切った現在、改めて民主党・県民ネットワークとして、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題の解決の道筋について簡潔明瞭な答弁をお願いし、以下、知事にお尋ねしてまいります。  我が会派は、住民が不安視しています、ドラム缶等を含む有害廃棄物除去のための全量掘削が解決への一つのキーワードになると考えておりますが、住民側から具体的な掘削案が出た場合、県として掘削案を前向きに受けとめ、対応する姿勢はおありですか、お伺いいたしたいと思います。  次に、産廃特措法延長について、県として、施策、予算に関しての政府提案、あるいは要望活動の内容進捗についてどのような働きかけを国に対して具体的に行われたか、この点をお尋ねいたしたいと思います。  加えて、政権交代したことにより、今後どのような行動を県として国、政府に対してとられようとしておられますか。あわせてお伺いしたいと思います。  次に、6月議会以降、栗東市調査委員会の案と、よりよい原位置浄化策とをラウンドテーブルで精査、検討、比較してもらうための中立的第三者を交えた協議の場の設置のため、どのように住民に対して具体的な提案をされたのか、お伺いいたします。  さらに、住民は中立的第三者との協議の場の設置に否定的な見解との6月議会での知事答弁がありましたが、その後の進捗状況と、住民の現段階での距離感や反応について、知事としてどのように感じておられるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。  さきの6月議会の知事答弁では、緊急対策事業については、できるだけ早い時期に工事説明会を行いますとのことでしたが、その後、7月21日の住民説明会や7月29日の県議会環境・農水常任委員会での住民の方々の反応をかんがみましても、秋には設計業務を終え、年度内には緊急対策を完了すべきだと考えます。当初の予定どおり業務は進捗しているのでしょうか。改めてお伺いいたします。  また、技術、効果、時期などを含めた住民の考え方を、県として、ここ数カ月の間、聞いてこられたのでしょうか。人的、経費的な部分も含めて住民案づくりに支援を検討するとの6月議会での知事答弁でございましたが、県からの住民への支援内容と、その後の成果についてお尋ねいたします。  最後に、6月議会答弁で知事御自身が、「対策工について地元住民の皆さんと話し合いを進め、効果的で合理的、かつ地元の住民の皆さんの合意と納得が得られる対策が一日も早く実現できるよう、私自身努力をさせていただきたいと考えております」と、解決に向けての覚悟と熱意ある答弁をいただきましたが、その後の具体的な努力の成果についてお伺いしたいと思います。  我が会派は、この問題について本会議でも再三申し上げていますが、住民も県も今までの案に固執することなく、ともに解決に向け、歩み寄りを見せるべきだと思います。徐々にではありますが、この1年間、住民の皆さんも胸襟を開き、解決の糸口を模索してきました。今こそ県としても、よりよい原位置浄化策に固執することなく、再度、住民の皆さんの願いや声に真摯に耳を傾け、思いを酌み取った対策や行動をとるべきだということを心から申し上げまして、私の代表質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。知事の御答弁、よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(辻村克君) 18番今江政彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)民主党・県民ネットワーク、今江議員の代表質問にお答えさせていただきます。  まず、政権交代に当たっての所感でございますが、どのような思いを持っているのかとの御質問でございます。  一昨日9月16日、民主党、国民新党、社民党の3党による連立政権が誕生いたしましたが、歴史的に記念すべき日であったと考えております。  今回の政権交代を実現させたのは、議員も御指摘のように、社会に蔓延している不安感や閉塞感を打ち破り、暮らしの安心、未来への希望が欲しいという国民の皆さんの強い思いそのものであったろうと考えております。鳩山内閣には、このような国民の皆さんの思いを真摯に受けとめ、真の政治改革、行政改革、また、地域主権を実現していただきたいと願っております。  次に、2点目の新政権の姿勢に対する評価でございますが、特に地域主権の推進につきましては、これまでにも全国知事会などを通じて、国と地方の協議の場の法制化や、国の出先機関の原則廃止、義務づけ・枠づけの廃止・権限移譲の推進、さらには、国直轄事業負担金の廃止などについて申し入れを行ってまいりました。  このような県の主張の多くが、今回の総選挙においてマニフェスト等に記載されたことは、全体として高く評価し、期待をしております。早速、昨日も、新しく総務大臣になられました原口総務大臣の所信表明の中には、出先機関の原則廃止や国直轄事業負担金の廃止などを宣言いただいております。  一方、各論で見ていきますと、例えば補助金の一括交付金化は、地方の裁量が拡大するものと期待しております一方で、総枠が削減され、地方財政のさらなる悪化を招くのではないかとの不安もございます。  また、暫定税率の廃止につきましては、個人消費や設備投資を増大させ、経済の活性化につながるという期待もございます。その一方で、地方財源の削減や燃油の消費量の増大に伴う環境負荷への影響なども懸念されます。  こうしたことを踏まえまして、9月4日には、滋賀県としても、全庁横断的な滋賀県新政権戦略チームを設置いたしまして、マニフェストによる県政への影響について検討しているところであります。これまでの本県での工夫や経験を生かしながら、また、現場での課題を踏まえた政策を、今後、国に対しても前向きに提案していきたいと考えております。  次に、3点目の国と地方の協議の場のあり方についてでございますが、この法制化は、本県初め、全国知事会でも、最優先で実現してほしいと要望してまいりました。  鳩山内閣が取り組もうとしております、子育てや医療、福祉、社会保障制度の改革、地域再生などのさまざまな施策は、地方の工夫や経験を生かしながら、国と地方が協力し、円滑に機能する制度をつくっていくということで大きな効果を発揮できるものと考えております。そういった観点からも、この協議の場は、真の地域主権を実現するための手段として必要不可欠な制度であると認識しております。  しかしながら、法制化には時間がかかることも予想されるため、まずは協議の場自体を早急に設置されることが重要と考えております。  次に、4点目の大型公共事業の見直しについてでありますが、大型公共事業の見直しについては、社会・経済状況の変化や、地域、県民、国民の皆さんの願い、思い、また、地元の要望を踏まえながら、何よりも事業の必要性、緊急性、環境への影響、さらには財政負担の大きさなどを考えながら、代替案も含め検討する必要があります。  また、公共事業中止後の新たなルールづくりについては、例えば淀川水系河川整備計画策定の議論において、昨年──2008年11月11日、近畿圏の4知事合意でも示させていただきました。具体的には、ダムのように事業期間が極めて長い事業などについて、その再評価において、地域振興との兼ね合いで判断が難しい状況も発生することから、地域整備との関係を整理して、新たなルールをつくることもあわせて要望すると提案してまいりました。  公共事業の見直しに当たりましては、今回、民主党の政策集にも、代替ルール、新しいルールが提案されております。仮称でございますが、ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法という制度も提案されておりますので、ここに大いに期待し、直接影響を受けてまいりました地元の負担軽減などを求めてまいりたいと考えております。  次に、5点目の国と県との新しい関係についてでございます。  本県ではこれまでも、国と県は対等、協力の関係を構築し、地域のことは地域で決めるという真の地方政府の実現を目指し、取り組んでまいりました。歴史的に見てみますれば、明治以降のまさに中央集権体制からの大きな変革でもあります。今回、政権交代により地域主権型の国づくりが目指されている中で、国と地方が、ともに国民、県民の幸せに向けた政策をつくっていくという関係を築いていく絶好の機会ととらえております。このようなことから、分権改革を初め、新政権下で展開されます政策が、地方の実情や思いを十分反映したものになるよう、これまでの本県での工夫や経験を生かし、また、現場での課題を踏まえた政策を、国に対して前向きに提案していくべきと考えております。  先ほども申し上げましたように、滋賀県新政権戦略チームにおいて、政権を担う民主党のマニフェストが、全体として、また、それぞれの項目ごとに、県政にどのように影響するか、点検を行っているところでございます。また、9月12日には、県選出国会議員の方々との意見交換を行い、これからの政策形成のあり方や、その他、情報共有についても認識を同じくいたしました。  今後も、県として、基礎自治体である市町の思いを十分に踏まえた上で、国と情報を共有し、県民生活が第一という政策を形成し、実現していくため、東京事務所の役割の見直しや政策提案のあり方などについて検討してまいりたいと考えております。  次に、6点目の費用負担の問題も含め、県と市町との関係でございます。  まず、県と市町のこれからの関係ですけれども、近接補完の原理のもと、住民に最も身近な市町が、基礎的な自治体として行政サービスの提供を優先的に行うことが大原則であります。さらに、補完の原則という意味では、市町でできないことを県で、県でできないことを国でという形での補完の関係も今後つくっていくべきと考えております。  本県では、平成の合併によりまして、平成22年3月末で13市6町となるものの、人口が1万人から30万人までという大変幅がある基礎自治体となっておりまして、地域の実情が異なる状況も踏まえつつ、地域経営を担う対等のパートナーとして、市町と連携協力していく必要があると考えております。このような観点から、市町負担金も含め、県と市町との財政負担のあり方についても、今後、前向きに検討してまいりたいと考えております。
     次に、7点目の県政経営に対する知事の姿勢、特に職員とのかかわりでございます。  国政が大きく変わろうとする中で、県政においても、それぞれの自覚と覚悟を持って地域主権の自治を主体的、積極的に担っていくときが来たと認識しております。  歴史的に振り返ってみますと、県というのは、ともすれば国の出先機関的な役割を担ってきたという経緯もございます。このような中で、職員の意識変革も大変重要でございます。県が抱えております宝、それは何よりも職員でございます。県の人材を最大限に生かし、これにこたえていかなければなりませんが、大幅な歳出カットが続く中、職員のモチベーションをいかに上げていくかというのは大変難しい課題でございます。  具体的に現場を見てみますと、県民との協働事業を前向きに進める、あるいは、より具体的に申し上げますと、例えば「おいしが うれしが」キャンペーンなど、これは職員の皆さんの工夫の中から出てきたものでございます。現場の声を聞き、知恵を出し合うことによって、お金をかけなくても、よりよい地域づくりを目指すことはできると考えております。  私としても、そうした職員の皆さんの工夫、意欲を引き出し、職員と思いを共有しながら、県民の皆さんの暮らしの安全、安心や地域の活性化のため、一層リーダーシップを発揮して、工夫と努力をしてまいる覚悟でございます。  次に、平成22年度県政経営の基本方針および予算編成について、御質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目の行政改革のさらなる取り組みとして、基本方針では、簡素で効率的な組織、機構への見直しや、一層の定数削減などに取り組むとしておりますが、具体的な構想はあるのかとの御質問でございます。  まず、1点目の組織、機構、定数削減についてでございます。  平成19年度に新しい行政改革の方針を策定し、この方針に基づく、平成20年度から22年度までを取り組み期間とします実施計画を策定いたしました。ここにおいて、簡素で効率的な組織、機構への見直しや、徹底した事務事業の見直しによる一層の定数削減に取り組んでおります。  組織、機構につきまして、これまでに、さらなる市町合併を見据えながら、県と市町との関係を勘案しまして、地域振興局等の地方機関の見直しを行ってまいりました。また同時に、職員定数につきましては、300人以上の削減を目標に掲げ、平成20年度および21年度の2年間で235人の定数削減を行ってまいりました。平成22年度については、計画の最終年度でもあり、当初の目標が達成できるよう、着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目の行政経営改革委員会の提言についての御質問でございます。  まず、1点目の外郭団体に対する今回の提言をどう受けとめているかという点でございますが、今回の提言は、単に効率性といった観点からだけではなく、先ほど来指摘しておりますように、まさに政権交代も起こり、また、地方分権化が進む中で、県が担うべき役割や、施策目的の効果的、効率的な達成などの観点からも、幅広く検討いただいたところでございます。  その結果、外郭団体に関しては、4団体について廃止の方向が提言されたほか、対象団体のほとんどについて、統合や縮小、自主性の拡大といった見直しが求められておりまして、全体として思い切った改革の必要性が示されたものと受けとめております。県としては、この提言を重く受けとめ、年内をめどに見直しの具体化を進めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の外郭団体のプロパー職員の処遇に関する御質問にお答えします。  基本的に、外郭団体は、理事会等の議決により意思決定を行う独立した団体であり、職員の雇用に関する問題についても当該団体が対応すべきものであると認識しております。しかしながら、外郭団体は、その設立や運営について県が少なからず関与してきたところでありまして、行政経営改革委員会の提言においても、関与の状況によっては職員の再就職等に向けた団体の取り組みに対して、可能な範囲で協力していく必要があるとの意見も付されております。  このため、具体的な対応につきましては、今後、見直し計画策定の過程において、それぞれの見直し状況を見きわめながら、県民の皆さんの理解が得られるものであることを基本に、可能な支援方策を探っていきたいと考えております。  次に、4点目の県立施設の見直しに関する御質問にお答えします。  公の施設の見直しに当たりましては、行政経営改革委員会において、施設の設置目的、施策上の位置づけ、類似施設の整備状況、社会経済情勢、県民ニーズの変化、施設の利用状況等を踏まえて、県の施設として設置目的を果たしているのかどうかといった視点から、ゼロベースで見直しを行い、7施設の廃止、17施設の移管、売却など、70施設を対象に提言をいただいたところでございます。  今後、県として見直し計画を策定していくこととなりますが、対等、協力のパートナーである市町と、役割分担も踏まえながら、幅広い、率直な意見交換を重ねていく必要があると考えております。  また、公の施設は県民生活と直接に深くかかわっていることから、今なぜこうした見直しが必要となるのか、県の置かれている厳しい財政状況や、社会状況の変化、また、これまでの取り組みの現状や成果もあわせ、県と市町との役割分担なども踏まえながら、県民の皆さんに丁寧に説明し、着実に改革を進めてまいりたいと考えております。  次に、5点目の民主党は予算の抜本的な組み替えを公約しているが、これによる来年度予算への影響をどのように考えているのかとの御質問でございますが、民主党のマニフェストにおいては、地方自治体にも影響が及ぶ政策が数多く含まれておりますが、それらについては、今後、具体的な制度設計がなされていくこととなります。このことから、現段階では、本県にどのような影響が及ぶかについて明示的に申し上げることは困難でございまして、今後とも、その具体的な動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、6点目の平成22年度当初予算編成に当たって、県独自の政策経費を削減することについての所見と、削減に当たっては、めり張りの聞いた指示を出すべきであるとの御質問でございます。  危機的な財政状況に対応するためとはいえ、これまで滋賀らしさを埋め込みながら、滋賀県独自で工夫を重ね、文化、環境、福祉など、歴史的に蓄積してきた事業まで見直しを検討せざるを得ない状況でございます。私としても大変悔しい思いでございます。同時に、県民の皆さんに少なからず影響が及ぶということについても大変申しわけなく思っておりまして、この状況を突破する中で、県政を破綻させず、そして、将来に向かっての展望が開けてくるものと確信しております。  見直しに当たりましては、基本構想の戦略的な取り組みとして掲げました、県民の皆さんの「生命(いのち)」を守り、不安を安心に変える政策を初めとします5つの重点テーマを踏まえ見直すよう指示したところであります。  そうした中で、何を残し、何をやめるのかという厳しい選択を行いながら検討を進め、将来にわたって持続可能な県政運営を行うための土台をしっかりと築いてまいりたいと覚悟しております。  7点目の新駅課題対応基金についての私のコメントが唐突であったがとのお尋ねでございます。  課題対応基金の取り扱いにつきましては、私の思いと異なる内容の報道があったことや、その前日には、県南部地域の関係市から、基金の措置について申し入れ書もいただいたことから、急遽、報道関係の皆さんに説明などを行ってまいりました。  この説明では、これまで県議会でも申し上げてきましたように、課題対応基金については、諸課題に一定の方向性が見えた段階において基金条例の取り扱いについて検討するということや、私としては、できる限り早期に課題の解決を図ってまいりたいという強い思いから、課題に一定の見通しを立て、所要経費を確保した上で、11月県議会には現行基金条例の改廃を提案し、議論していただきたい旨を申し上げたものでございます。  8点目の諸課題に対しての一定の見通しについてのお尋ねでございますが、現在の諸課題の進捗状況を見ますと、(仮称)南部地域振興プランについては、県および栗東市を含む関係7市で構成する南部地域振興会議において事務的な詰めを行っているところでありまして、今後、できるだけ速やかに関係7市の首長会議を開催いたしまして、理解を得たいと考えております。  また、後継プランにつきましては、栗東市とともに、地元地権者の方々にも、新たなまちづくりの方向性などの説明をさせていただいているところでありまして、引き続き後継プランの基本構想について説明し、議論を深めながら、地元の皆さんの御理解を得たいと考えております。  後継プランの策定が完了するまでには、基盤整備の設計など、かなりの時間を要する作業もありますことから、一定の見通しとは、これらプランについて地元の皆さんや関係市の御理解をいただくことであると考えております。  次に、9点目の来年度の予算編成において、事業のバランスについてどのように考えているのかとの御質問でございます。  これまでも申し上げてまいりましたように、極めて厳しい財政状況の中にあって、県が破産寸前の状態であるという中で、県民ニーズや緊急度などを勘案し、特に優先すべき施策を見きわめ、選択と集中をより徹底する必要があると考えております。このため、県民の「生命(いのち)」を守り、不安を安心に変える政策を初めとする5つの重点テーマを設定し、未来に種を埋め込むことができるよう、基本構想の実現に戦略的に取り組むこととしているところでありまして、議員の皆さんの御理解をお願いしたいと思います。  次に、10点目の福祉医療費助成事業についてお答えいたします。  今年度、福祉医療制度を安定的に維持するための見直しについて、市町との話し合いを行ってまいりました。しかし、市町側からは現状維持を望む意見が多く、また、乳幼児医療を今年度さらに拡充する市町もある中で、見直しの合意を得るには至りませんでした。  来年度予算での位置づけについては、県の厳しい財政状況の中で、市町の意見を受けとめつつ、今後、さらに検討してまいりたいと考えております。  次に、予算編成の「見える化」についてでございます。  平成21年度当初予算編成においては、予算編成過程の「見える化」の一環として、初めて知事査定の一部を報道機関に公開し、その結果をホームページで公表したところでありますが、このことによりまして、県としての現状分析や課題解決のための施策構築をどのように進めているのかなど、一定程度お示しすることができ、県民の皆さんにとっても、県の予算について、より親しみを持っていただけるようになったのではないのかと考えております。  2点目に、議員御指摘の政策の方向づけや予算のめり張りについて、より「見える化」を進めるべしとの御指摘でございます。本年度につきましては、平成22年度に重点的に取り組むべきテーマや、県政経営の視点あるいは行政改革の一層の取り組み、財政構造のさらなる見直しへの取り組みを埋め込みまして、平成22年度滋賀県県政経営の基本方針を8月に策定いたしまして、これを職員に対し徹底するとともに、「見える化」の一環といたしまして、県のホームページに掲載し、県民の皆さんにお示ししたところでございます。  もとより、なぜ「見える県政」を推し進めるかということでございます。極めて厳しい財政状況にあるからこそ、県として最小の費用で最大の効果を上げ、県民の皆さんの満足度をより一層高めていただく。そのために「見える化」を推進しているところでございます。今後とも、県民の皆さんに、よりわかりやすくプロセスをお示しすることが、より一層重要であると認識しております。  次に、新型インフルエンザ対策についての8点の御質問にお答えいたします。  1点目のいつどのように総括し、課題はどこにあり、どのように対応していくのかとの御質問でございます。  6月の代表質問以降、2回の滋賀県新型インフルエンザ防疫対策本部専門家委員会において、経過と実績を説明し、意見を聞き、これらを踏まえ、医療体制と感染拡大防止策という2つの大きな領域に分けて総括し、課題を整理し、対策を定めようとしております。  そのうち、まず1つ目ですが、医療体制をウイルスの毒性に見合ったものにすることでございます。5月には新型インフルエンザの診察は発熱外来に、入院は感染症指定病院としてまいりましたが、特定の病院に負担が集中するという課題が生じました。このため、診察窓口をふやし、一般病院で入院を受け入れられるよう、診療所や病院での院内感染を防ぎながら受診していただくための設備を支援することとし、必要な補正予算案の審議をお願いしております。  また、5月の感染拡大防止以降も、全国的に呼吸器疾患や腎臓病などの基礎疾患のある方が感染すると症状が重くなる事例が明らかになってまいりました。そこで、腎臓病患者が新型インフルエンザに感染した場合に、他の透析患者への感染を防ぎながら透析を続けられるよう、機器の配置を支援することといたします。また、妊婦が感染し重症化するおそれがある場合に、他の妊婦への感染を防止できるよう、陰圧ベッドの設置を支援することとし、これらについて必要な補正予算案の審議を今議会でお願いしております。  2つ目ですが、感染拡大防止のための対策といたしまして、ウイルスの毒性に即したものとすることが肝要でございます。5月には、学校、保育所など、一律1週間の休業を要請し、県民の皆さんの御理解と協力を得て、感染拡大を防止することができました。  感染拡大防止と社会経済活動とのバランスをどこに置くかは難しい問題であり、課題であると認識しております。そこで、防疫的な見地から、毒性の程度や感染力の強さを見きわめて、例えば、患者の発生状況や施設の個別の事情を踏まえ、また、市町は保健所と相談するなど、地域の実情に応じた適切な対応ができるよう、8月31日に、新型インフルエンザ患者発生時における学校・保育施設等の臨時休業基準を定め、周知し、運用しているところであります。  次に、2点目の県民への安全に対するメッセージについてでございます。  ただいま申し上げましたように、医療体制を整えることは、県民の皆さんの安心につながるものと考えております。新型インフルエンザは、一人一人の、うつらない、うつさないという取り組みが積み重なって、県民の安全に全体としての安全につながるものと考えております。実態としての安全、精神としての安心、この両方をともに確保できるよう、県としては努力をしてまいりたいと考えております。  3点目の入院患者数、重症者数をどう推定しているか、これに対応できる医療体制は整備されているかについてでございますが、厚生労働省の新型インフルエンザ流行シナリオを滋賀県に当てはめてみますと、ピーク時には1日当たり、入院は約500人、重症は約50人と見込んでいます。これに対応するため、入院医療機関が受け入れることのできる患者数を把握し、医療機関との間で調整や要請を行い、必要な医療体制を整えているところでございます。  次に、4点目の行動計画との整合性でございますが、現行の滋賀県新型インフルエンザ対策行動計画最大受診者数や入院患者数は、強毒性の新型インフルエンザを前提としたものでございます。先ほどお答えしました、流行シナリオに基づく県の推計とは前提を異にするものでありまして、今回の行動計画の改定に今後盛り込むこととしております。  5点目の医療圏域ごとに見た推定入院患者と医療体制についてでございます。  これまでから、新型インフルエンザ対策についても、医療圏によるばらつきが少なくなるよう対応してまいりました。感染症対策は、圏域内でおさまらない場合も想定しなければなりませんので、必要に応じて圏域を超えた受け入れ対応ができるよう、その役割を担っていだたける中核病院に要請を行ってまいります。  次に、6点目の小児、妊婦、透析患者が重症化した場合の対応についてでございます。  けさほども横浜市で小学校6年生の死亡のニュースが流れておりました。小児、妊婦、透析患者が重症化した場合を想定し、治療に必要な機器、設備を有する病院を把握し、9月下旬を目途に受け入れ先を確保することを、県としても重要課題としております。  具体的には、小児が重症化した場合に必要な小児用の人工呼吸器を保有している病院を確保し、受け入れを要請しているところでございます。妊婦が感染した場合については、滋賀県産科婦人科医会では、まず、かかりつけの産科医師が診察し、重症化する恐れがある場合には、病院に入院して治療を受けることとしております。このため、医療圏ごとに、入院を受け入れる病院を確保するため、保健所を通じて調整しているところでございます。また、透析患者の入院が必要となった場合についても、関係病院と調整をしております。  次に、7点目の協力が得られる医療機関の情報の取り扱いについてでございます。  5月には発熱外来を設置し、新型インフルエンザの感染の疑いのある方は、すべてそこに誘導するため、医療機関名を公表いたしました。今後は、お尋ねの小児、妊婦、透析患者が感染した場合については、まず、かかりつけ医が診察し、重症化するおそれがある場合には、病院に入院して適切な治療を受けることとしております。  小児、妊婦、透析患者の入院を受け入れる医療機関名を公表することにより、軽症の患者さんがこれらの医療機関へ集中することが懸念されます。これを避けるという観点から、医療機関名を公表することは差し控えたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。  8点目のワクチン接種の補助、助成についてでございます。  今回の新型インフルエンザワクチンの接種は、個人の重症化を防ぐことを主な目的として実施されるものでありまして、実費相当額を個々人から徴収することとなっております。しかし、低所得などにより、本来接種を受けるべき人が受けられないということは避けなければなりません。国において、現在、低所得者の負担軽減のあり方が検討されているところでありまして、今後、適切に配慮されるものと認識しております。  次に、経済・雇用対策についての所見という御質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目の民主党の景気対策についての所見でございます。  民主党マニフェストでは、生活の安定が希望を生み、意欲的になった心が、この国全体を押し上げていくとの考えのもと、雇用と環境を柱に、人を大事にする新しい経済を実現するとしております。  本県におきましても、基本構想の策定時から、滋賀の持つ潜在的な力に磨きをかけ、その強みを発揮できる産業を育て、潜在力を引き出しながら、人と人のつながりを重視した事業を展開することにより、滋賀の経済を多様なものとして、内需を育てるとともに、雇用の創出、特に次の世代を担う若者の雇用につなげていく政策を進めたいと申し上げてまいりました。このような意味では、民主党が目指す景気対策に呼応し、また、その景気対策に大いに期待しているところでございます。  2点目の滋賀県の経済・雇用対策についての御質問にお答えいたします。  まず、県内の経済・雇用情勢についての認識でございますが、県内企業の倒産件数は、今年1月から8月までの合計が159件と、過去最悪のペースとなっております。また、雇用面では、議員御指摘のとおり、7月の有効求人倍率が0.35倍と、19カ月ぶりに前月0.34倍を少し上回ったものの、依然として過去最低の水準に低迷しております。  一方で、7月の鉱工業生産指数は4カ月連続で上昇しており、企業や経済団体からのヒアリング等でも、「休みが減り、仕事が出てきた」「見通しは立たないが、若干上向きつつある」、また、「業種によってばらつきはあるものの、前年以上の受注を確保している企業も出てきた」という声をお伺いしております。  こうしたことから、県内景気は、全体として厳しい状況が続いているものの、下げどまったのではないのかと認識しております。  一方、雇用情勢については、依然として大変厳しい状況にあると認識しております。  次に、2点目の緊急雇用対策の進行状況、成果、今後の見通しについてであります。  対策の推進に当たりましては、雇用の創出、雇用の安定化、また、相談体制の充実といった3つの柱を掲げ、県民の皆さんの雇用の不安を安心に変える取り組みを進めてまいりました。  1つ目の雇用の創出では、国の交付金を活用しまして、緊急雇用創出特別推進事業と、ふるさと雇用再生特別推進事業に、市町とともに取り組み、8月末現在で延べ約1,400人の雇用につながりました。  また、本年度後半においても、さらに約300人の雇用機会を創出するため、今議会において緊急雇用創出特別推進事業の補正予算を提案しております。  引き続き、市町との連携を図りながら、全庁挙げて事業の早期執行に努めるなど、なお一層の雇用機会の創出に取り組んでまいります。  2つ目の雇用の安定化でございますが、高等技術専門校や民間の教育訓練機関等を活用し、多様な職業訓練を実施しております。特に今年度は、委託訓練の定員を前年の450人弱から1,250人余りと約3倍に拡大するとともに、介護福祉分野等の人材ニーズの高いコースを新設し、就労を促進してまいりました。  さらに、今議会には、外国人に対して、ビジネスマナーや労働慣行、パソコンを使った文書作成等を習得していだたくための予算も提案しており、こうした訓練を通して外国人の就労についても促進してまいりたいと考えております。  3つ目の相談体制の充実ですが、この3月に滋賀県求職者総合支援センターを設置し、求職者の総合的な相談支援に取り組んでまいりました。センターでは、本年4月から8月末までに1,428人の相談者から、職業紹介などの労働相談、生活保護や生活資金の貸し付けなどの福祉相談や、住宅の確保に関する相談などを受け、就労と生活の両面にわたる総合的な支援をワンストップで実施してまいりました。  この間、具体的な事例を紹介させていただきますと、例えば、ペルー人の方ですが、看護師の経験や資格を持つということがわかりまして、センターからの紹介によって福祉職場説明会に参加し、介護の事業所に就職することができました。このような事例も含め、43名の方が就職を実現し、一定の成果が上がっております。  また、7月からは、ハローワーク甲賀等において、生活相談員と通訳を派遣し出張相談を実施してまいりましたが、今後は、その他のハローワークや要請のある市町にも出向き、身近な地域での相談支援を行うなど、一層の充実を図る予定でございます。  また、とりわけ若年者の就労支援が重要であることから、8月よりヤングジョブセンター滋賀の開設時間を延長するとともに、彦根相談コーナーの常設化も図ってまいりました。  今後とも、それぞれの成果を見きわめながら、県民の雇用への不安を解消できるよう、施策の推進に精いっぱい努めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の滋賀県農業の6次産業化に対する所見についてお答えします。  県では、しがの農業・水産業新戦略プランや、しがの農水産物マーケティング戦略において、生産者と消費者の距離を近づける、いわゆる「近い食」が、これからの農業経営に重要との認識のもと、農家が単に生産にとどまることなく、加工などの第2次産業や、流通、販売などの第3次産業にも取り組む、いわゆる6次産業化を推進しているところでございます。  この結果、農家みずからが牛乳や米などの農産物をジェラートやもちに加工したり、直営の売店や食堂などで販売することでブランド化につなげたり、また、グループで直売所を運営し、収益を向上させるなど先進的な事例が県内各地に生まれてまいりました。  さらに、集落営農などにおいて、イチゴやブルーベリーなどの園芸作物を導入したり、農産物の加工や直売に取り組むことによって、水田を守る農業から、もうかる農業に転じ、雇用の拡大によって地域の活性化に貢献している取り組みも出てきております。  県としても、昨年9月から、「おいしが うれしが」キャンペーンを展開いたしまして、今年度からは、生産者と食品販売業者等との協働によりまして県産農水産物の商品開発に取り組んでおりまして、これをきっかけといたしまして、生産から流通、販売まで融合した、新たな企業が期待されるところであります。  今後は、それぞれの地域や産地で知恵を出し合い、滋賀県独自の自然や文化などの資源を掘り起こしながら、新たな加工や販売方法による商品開発などの6次産業化を推進することが、滋賀を元気にするものと考えておりまして、農業、農村の新たな価値を生み出すことで地域農業の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、4点目の農家の戸別所得補償制度についてでございます。  日本農業の大きな課題は、大規模化が進まないことにございます。本県ではこれまでから、農地の集積や、集落ぐるみで助け合い、支え合う集落営農の育成に、全国に先駆けて取り組むとともに、経営感覚のすぐれた、意欲ある担い手を積極的に育成してまいりました。  こうした中、農家の所得補償制度が示されたところですが、この制度は、作物ごとに生産数量目標を設定し、目標を守る販売農業者には、販売価格が生産コストを下回った場合、その差額を国が直接支払うというものであることから、生産調整に取り組む者とそうでない者との不公平感を払拭するというメリットがあるものと考えております。しかしながら、この制度は、小規模経営農家も対象とされていることから、経営規模を拡大していこうとする意欲がそがれたり、また、今日まで滋賀県として育成してまいりました集落営農の維持や担い手の育成に支障を来さないか、懸念もございます。  将来の滋賀県の農業、農村を展望したときに、地域農業の担い手である大規模農家の育成はもちろん、集落営農組織への参加を通じて、小規模農家や高齢農家を含む多様な農業経営を維持し、持続可能なものとしていくことが重要であると考えております。あわせて、滋賀県独自の地域コミュニティーの維持も大切でございます。  今後、具体的な制度設計に際しましては、本県の地域特性を生かした農業の振興につながるよう、前向きな提案を行ってまいりたいと考えております。  次に、子育て支援についての6点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の民主党マニフェストに掲げる、子育て・教育の支援策に対する評価についてでございます。  安心して子育てと教育ができる施策として6つの政策を挙げられており、本県が積極的に推進しております子育て支援や教育分野に重点的に民主党として取り組もうとされていることに対して、大いに評価をし、期待をしているところでございます。  今般の子ども手当の支給や保育所待機児童の解消など、国の施策が実現されることをきっかけに、現場に近い自治体としても、県民の皆さんの期待にこたえる実効性のある取り組みが進むよう工夫してまいりたいと考えております。  2点目の待機児童解消に向けた取り組みの進捗状況と効果についてでございますが、県としては、市町において定員拡大が円滑に図られるよう働きかけてきたところでありまして、県内の認可保育所の定員は、本年4月には2万5,622人となっており、過去4年間に定員数を1,994人ふやしてまいりました。  3点目の現在の待機児童の現状とその対応についてですが、急激な経済状況の悪化などによりまして、認可保育所の待機児童数は本年4月には411人と、昨年より149人増加しました。  これまで市町において計画的に施設整備を推進し、認可保育所の定員数の大幅な増加を図ってきたにもかかわらず、待機児童数が増加している状況の背景には、議員御指摘のように、潜在的な保育ニーズがあると考えておりまして、引き続き待機児童の解消に向け、対応していく必要があると認識しております。
     こうした状況を踏まえまして、県では、待機児童の解消を図るため、一定の条件のもとに、認可定員を超えて児童を入所させることができる定員の弾力的運用などを通して、年度途中の保育ニーズにもこたえていけるよう努めております。また、来年度に向け、子育て支援対策臨時特例基金、いわゆる安心こども基金の活用を図りながら、民間の認可保育所の施設整備を促進することとし、145人の定員増加を図りたいと考えております。  また、保育所の入所児童数の増加に対応していくためには、何よりも保育士の確保が重要であります。保育士の人材育成、また、就職を希望する潜在的保育士と、保育士を必要とする保育所のマッチングを行う保育人材確保構築事業、これは今年度から滋賀県は全国に先駆けて進めております。保育協議会および大津市と共同で実施しておりまして、今後とも保育ニーズにこたえられる体制づくりにも努めてまいりたいと考えております。  4点目の認定こども園や既存施設の有効活用などを視野に入れた方策についてですが、市町において、地域の実情に応じた取り組みとともに、認定こども園や既存施設の有効活用も検討されており、県としても、こうした取り組みが円滑に推進されるよう、認可手続や施設の改修などの支援に努めております。  5点目の大津市が取り組む家庭的保育事業、いわゆる保育ママ事業についてでございますが、この保育ママ事業は、待機児童の解消を目指す方策の一つであるとともに、3人から5人の少人数の子供を保育することにより児童一人一人にきめ細やかな支援も可能となるなど、保育サービスの量的、質的な活動につながる取り組みと考えております。  このため、県では大津市に対し、事業実施に向けて積極的に働きかけてきた結果、今回の実施につながったところでありまして、大津市の保育ママ事業の立ち上げに当たり、安心こども基金を活用して支援することとし、今議会に補正予算案を計上し、審議をお願いしているところでございます。  また、今後は、大津市の事業の成果をもとに、待機児童を抱える他の市町に対し、情報の提供や技術的な助言に努め、保育ママ事業の積極的な活用が図られるよう働きかけてまいります。  最後に、子育て支援についての思いでございますが、子は社会の宝でございます。子育て支援は、滋賀の未来への投資でありまして、また、経済的成長にもつながる大変重要な内需拡大政策でもございます。現在、県では、子供、青少年についての総合計画を策定しているところでありまして、こうした取り組みを通じて、子供が生まれる前から自立するまで、具体的には、母親が妊娠した状態から、30歳程度の、職業的、社会的に自立するまでの切れ目のない支援を推進していくこととしております。また、平成22年度滋賀県県政経営の基本方針の中でも重要テーマとして「社会で子育て、子育ちを支える」を設定いたしまして、戦略的に取り組むこととしております。  議員にも御指摘いただきましたけれども、私自身、長男を授かり、次男を授かった中で、保育園探しに大変苦労してまいりました。また、小学校に入ると、今度は学童保育というようなことで、就業を続け子育てを続けるという両立は大変困難なものでございます。そのような経験も生かしながら、常々申し上げておりますように、子によし、親によし、結果として世間によしという子育て三方よしのメッセージを発しながら子育て支援施策を重点的に、また、きめ細やかに組み込みながら、安心して子育てができる社会の実現に向けて、全力で取り組んでいく覚悟でございます。  また、あわせまして、本県選出の川端衆議院議員が文部科学大臣になられました。大いに御協力もいただきながら、子育て支援を充実させていきたいと考えております。  次に、地球温暖化対策についての5点の質問にお答えいたします。  1点目の新政権における25%削減という削減目標の評価についてでございます。  新しい政権のもと、温暖化対策として高いハードルとも言える新たな削減目標を掲げられようとしていることは、日本が世界をリードし、国際的な交渉力を高めるという強い意思のあらわれであると認識しております。2030年の温室効果ガス排出量の1990年比50%削減を目指す本県にとっても、これからの施策を進めていく上で後押しとなり、大変心強いものと評価しております。  また、あわせて、持続可能な経済社会や、環境容量内での循環型社会システムの構築に取り組むとされておりまして、持続可能な滋賀社会ビジョンで掲げた本県の考え方とも軌を一にするものと受けとめております。  これまでにも申し上げてまいりましたが、温暖化対策は、できるかできないかではなく、やるかやらないかという政治的意思の表明が重要でございます。それだけ将来的な被害が想定されるということでございます。そのような中で、今後、削減目標の実現に向けて、国民の理解と協力が得られるよう、速やかにそこに至る行程表など、具体的な方策を示されることを期待しております。  次に、2点目の滋賀県が掲げる目標の実現に向けての国との政策連携についてであります。  本県では、2030年に1990年比50%削減というチャレンジングな目標を掲げ、全国的にも例を見ないロードマップづくりに取り組んでおります。検討の過程においては、制度面や技術、財源などにかかわる大きな課題の解決が必要になってまいります。  もとより温暖化対策の推進は、国、地方など、あらゆる主体を挙げて連携、協働して取り組む必要がありますことから、国が担うべき役割については、しっかりと責任を果たしていただく必要があります。  また、温暖化対策の目標の実現に向けては、これまで県が環境行政を推進する中で培ってきた豊富な経験や、琵琶湖を有する地域の特性、資源を生かし、本県だからこそできる取り組みを推進するとともに、その成果を地域のモデルとして国に積極的に提案し、全国的な広がりにつなげてまいりたいと考えております。  3点目の新しい産業の振興を視野に入れた取り組みについてでございます。  2030年の温室効果ガス排出量を1990年比50%削減という目標を実現するためには、一般家庭での取り組みばかりでなく、産業界における省エネルギーや再生可能エネルギー利用のための技術革新が不可欠でありまして、重要なキーにもなります。議員御指摘のとおりでございます。  本県ではこれまでにも、びわ湖環境ビジネスメッセを先進的に開催してきたほか、経済界も独自の取り組みとしてエコビジネスの商談会を開催されるなど、環境産業の振興に取り組んでまいりました。  しかしながら、今般の世界的な不況によりまして、本県産業界の中でも主力であった家電や自動車産業との取引が落ち込んでいる企業が多い中、今後の成長分野である環境ビジネスの振興が一層急務となっております。中でも、今後著しい市場規模の拡大が予想されます太陽電池や燃料電池などの分野において、県内に日本を代表する企業が集積し、他分野からの参入も進みつつあることは、本県の環境産業振興の大きな潜在力となっております。  本県では、このような潜在力を生かし、県内企業が環境分野において戦略的に技術開発や製品開発に取り組めるよう、本年度、産学官金をネットワーク化した環境産業創造会議を立ち上げまして、新たな環境ビジネスの振興にオール滋賀体制で取り組んでいるところであります。こうした活動を通じまして、本県は積極的に持続可能な社会づくりに向けた環境産業の振興に寄与してまいりたいと考えております。  4点目の自立的なNPO活動とのさらなる連携、支援、協働についてでございます。  滋賀県全域における2006年の二酸化炭素排出量の割合は、製造業が46%、次いで自動車22%、家庭15%、業務11%の順となっております。このうち、家庭部門では、1990年から2006年までにおおむね1.5倍という伸びを示しておりまして、さまざまな分野における総合的な対策が求められております。  こうしたことから、温室効果ガス排出量を削減するためには、行政のみならず、県民、事業者など、さまざまな主体による自主的、自立的な取り組みが不可欠でありまして、県民の皆さん一人一人が温暖化問題をみずからの問題としてとらえ、日々の生活において行動を起こすことが重要であります。  幸い本県には、琵琶湖の環境保全で培われた、県民や事業者、NPOの環境意識の高さや行動力、また、議員御指摘のような市民共同発電や菜の花プロジェクトといった先進的な実践例など、本県の財産とも言うべき強みがございます。特に、温暖化対策で求められている、地域の自然的条件に応じた対策については、地域のことを最もよく御存じのNPOや住民の方々による取り組みを大いに期待するとともに、今後、連携、協働してまいりたいと考えております。  次に、5点目のロードマップの進行状況と今後の見通し、財政的な試算についてでございます。  ロードマップの進捗状況については、これまで持続可能な滋賀社会ビジョンづくりで連携してまいりました琵琶湖環境科学研究センターの研究者、京都大学、立命館大学などの研究チームとの協働によりまして作成作業を進めているところであり、現在、たたき台となる考え方を取りまとめております。  その中で、これまで持続可能な滋賀社会ビジョンにおいて、家庭、業務といった排出源別の部門で整理していた個々の対策につきましては、それぞれの対策間の整合性を考慮しつつ、目標実現に向けて実効性のあるものとなるよう、大きな方策として6つの分野に整理し、課題の洗い出しなど検討を進めております。その6つとは、まず第1に交通・運輸、第2に、まちと建物、第3に生活、第4に産業活動、第5に新エネルギー、そして6点目が森林保全でございます。  今後、期待される将来の社会描写と実現に向けての課題解決の方法などについて、滋賀県地球温暖化対策推進本部において十分議論するとともに、広く県民、事業者の方々との意見交換を踏まえ、今年度中の素案作成につなげてまいります。  もとより温暖化対策は、国、地方など、あらゆる主体を挙げて取り組む課題であります。国際的課題でもあります。今後、ロードマップづくりを進めていく過程で、対策に係る費用と役割分担を検討していき、その検討の中で財政的な試算についても整理してまいりたいと考えております。  次に、造林公社問題についての6点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の造林公社検証委員会の報告をどうとらえているか、国や旧農林漁業金融公庫に対して、その責任をどう求めていくかとの御質問でございます。  今回の報告書では、この債務問題について、国の造林政策の一環として進められた、林業公社、公庫融資、分収造林というビジネスモデルを基本として全国共通の課題であることが改めて明らかにされました。また、造林公社の経営の仕組み、県としての事業の見直しなど、さまざまな問題点があったとの御指摘もいただきました。両造林公社の設立者であり、また監督者である県は、当事者として責任があるとの御指摘について、真摯に受けとめております。  昨年度の免責的債務引き受けをきっかけといたしまして、本県などの提案を受けて昨年11月に、国と地方の代表による林業公社の経営対策等に関する検討会が国に設置され、その結果、特別交付税措置の拡充などが図られました。しかし、債務そのものの減免など、既往債務問題の抜本的解決に向けては、まだ課題が残っております。  今回の検証結果では、県、言いかえれば地方だけが債務を負うことについては妥当ではないとの指摘がありまして、この点を踏まえて、引き続き関係府県と連携しながら既往債務問題の解決に向けた抜本的かつ恒久的な対策について、国に政策提案してまいりたいと考えております。  次に、2点目の提案説明での関係府県との連携、また、抜本的解決に向けた国への働きかけの具体的な中身は何かとの御質問でございます。  現在、全国には36都道府県に40公社ございまして、総額で1兆円を超える累積債務を抱えております。この債務問題は、検証委員会でも明らかにされておりますが、同じ構造的要因から発生した全国共通の問題でもあります。県はこれまでから、関係府県と連携を図りながら、森林県連合などの活動を通じて、国に対して要望を行ってまいりました。また、昨年11月には、国と地方の代表による林業公社の経営対策等に関する検討会が設置され、地方財政措置の拡充など、一定の成果を見てまいりました。  しかし、これで債務問題がすべて解決したわけではないので、引き続き関係府県と連携を図りつつ、また、県民の支持を得ながら、さまざまなチャンネルを活用して、国における抜本的な解決が図られるよう、粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。  特に、これまでの中央集権体制とのかかわりの中でこの造林公社問題の解決が困難であったという認識も可能でございます。政権交代の中で、民主党のローカルマニフェストにおいては、公庫債務の軽減につながる国の支援について述べていただいております。また、ことし1月には、全国都道府県議会議長会による特別立法を求める決議や、さきの6月議会では意見書の採択もいただいております。これらはいずれも、県民負担の軽減という点から見ますと大変心強いことでありまして、県議会議員の皆様にも引き続き御支援をお願いしたいと考えております。  次に、3点目の下流団体の責任についてでございます。  報告書と同じ認識なら、今後、下流団体についてどう対応すべきか、特に特定調停の現状と見通しについてでございます。  下流団体の参加でございますが、昭和30年代末から40年代にかけて、下流では、高度経済成長のもと、大変な水不足に直面しておりました。地下水のくみ上げにより地盤沈下などの切実な問題もございました。そのような中で、琵琶湖総合開発、プラス40トンの水利用への要望が下流から出されたわけでございます。  この水需要の要望にこたえるため、琵琶湖としては水源涵養機能を高めるということで社団法人滋賀県造林公社が設立され、その造林公社の設立目的に賛同し、昭和41年度に大阪府および大阪市、また、昭和42年度には兵庫県および兵庫県下の利水団体が社員または理事や監事として経営参画していただき、貸付金による支援をしてきたという歴史的経緯がございます。  しかし、社会経済情勢の変化、木材価格の下落等により、将来の伐採収益ではすべての借入金を返済することが不可能と判明したことから、下流団体にも債務圧縮により応分の御負担をお願いするため、平成19年11月に特定調停を申し立てているところでありまして、この早期成立を図ることが先決と考えております。  この特定調停は、昨年──平成20年10月30日に第7回調停が開かれて以降、次回開催期日が決まっていない状況が続いております。これは、交渉が行き詰まっているためではなく、調停委員より、債務圧縮の合意形成を図るためには期日外における個別協議を進めよとの指示を受けたことによるものでございます。現在は、公社ともども、期日外において下流団体との必要な協議、調整を精力的に行っております。また、この期日外協議における論点などについても情報交換をしながら、各社員の代理人と調停委員による代理人協議も並行して行われている状況でございます。  調停申し立てから2年近くになり、下流団体にも、早期の解決が求められていることについては御理解をいただいており、お互いができるだけ早い時期に合意点を見出すことができることを目指して取り組んでいるところでございます。  次に、4点目の県自身の責任をどう考え、両造林公社をこのような状態にまでした県の経営責任についてのお答えでございます。  県や公社は当事者としての責任があり、経営の仕組みや事業の見直しなど、さまざまな問題点があったとの指摘をいただき、これを大変重く受けとめております。また、木材価格の低迷など社会経済情勢の変化や国の造林政策の中で、公社においては、保育基準の見直し、事務の合理化などに努め、県においても貸付金の無利子化などの対策を講じてまいりましたが、これまで構造的な問題に十分取り組めなかったことについても、反省すべき点と考えております。  こうした指摘を踏まえて、公社の経営の仕組み、あるいは県としてのチェックの仕組みについて改善を図るとともに、社会経済情勢の変化の中での公共目的の変化も踏まえた公社のあり方について、今後策定を予定している新たな経営計画の中で十分検討してまいります。  次に、5点目の県民に対しての情報開示や説明責任を今後どう働かせるかとの御質問でございます。  造林公社問題に関する情報については私も、平成18年に知事に就任するまで、また、その前後について情報が不足していたということを認識しております。そのため、平成19年10月より県のホームページにおいて情報提供を始めました。それ以降、新たな状況が発生するたび、内容を追加、更新し、常に最新の情報を提供するよう心がけてまいりました。しかし、今回、造林公社問題検証委員会の議論の参考とするため、県民から意見募集を行った際にも、情報不足について多くの御意見をいただいており、反省をするべきところであります。  このため、社団法人滋賀県造林公社および財団法人びわ湖造林公社の健全な経営の確保のための県の特別な関与に関する条例を本年4月から施行したところでありまして、公社が経営計画に基づき事業の進捗状況についてみずから評価を行い、これを県がチェックし、それに対する県の指導、助言をあわせて議会に報告することといたしました。この条例に基づく仕組みを有効に機能させることで、十分に情報開示を行い、説明責任を果たしてまいります。  また、これらの状況については、県や公社のホームページに掲載するとともに、これまでも県の広報誌滋賀プラスワンなどを積極的に活用してまいりましたが、今後も広く県民の皆さんに積極的に開示するよう心がけてまいります。  最後に、6点目の過去のツケを最小限度にするだけでなく、今ある営林地の価値増進に向けて、どう臨んでいくのかとの御質問でございます。  公社においては、今回の造林公社問題検証委員会の報告を受け、また、下流団体との特定調停を早急に進めた上で、今年度中に公社に、外部有識者から成る検討会を設置し、平成22年度中に新たな経営計画を策定する予定でございます。  常々申し上げておりますように、この造林公社問題は、1,000億円の負債を抱えながら、実はまだ公式には1本も公社からの木材の切り出しができていない。平成27年度から切り出しが始まるという状況でございます。そのような中で、この新たな経営計画には、公社の長期的な経営見通しと、森林整備や木材生産・販売などの事業、また、その実施に当たっての森林組合など林業事業体との連携のあり方など、具体的な事業計画を盛り込むこととしております。  造林公社問題検証委員会報告においては、社会経済情勢の変化で公共目的そのものが変化してきたことについての検討が不十分だったとの指摘もいただいております。このことも踏まえ、県全体の10%の面積を占める公社営林について、これまでの木材生産、しっかりとバイオマスをため、また、森も育っております。そのような木材生産の成果を見きわめながら、水源涵養や二酸化炭素吸収など多面的な機能を発揮できるような管理、活用を図るという考え方のもと、経営計画を策定する方針でございます。  例えば、全国各地で集成材やバイオマス燃料など、木材の用途開発も進められておりまして、また、温暖化問題の中で二酸化炭素吸収源としての森林のオフセットクレジット制度、あるいは、いやしの場としての森林セラピーなど、新たな取り組みが始まっていることなどを視野に入れながら、公社の特性に応じた取り組みを盛り込むべく検討してまいるところでございます。  次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、9点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の住民側から具体的な掘削案が出た場合、県として掘削案を前向きに受けとめ、対応する姿勢はあるのかとの質問でございます。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題を解決するための対策工については、廃棄物処理法に基づき、事業者にかわり県が代執行として行うものであり、この事業は、産廃特措法による国からの財政支援を受けて実施するという考えでございます。  このことから、生活環境保全上の支障や、そのおそれを除去するための安全対策として、昨年6月にも議会で、有害廃棄物除去のための全量掘削は合理性や経済性の観点から採用することはできないと申し上げたところでございます。  今後、周辺7自治会として具体的な掘削案をお示しいただき、第三者を交えた協議の場において県案と比較検討し、掘削案が効果的で合理的であれば、柔軟に対応してまいりたいと考えております。その際、議員の御指摘にもありますように、有害物が存在する、そのことが不安であるという御意見についても十分耳を傾けていきたいと考えております。  次に、2点目の産廃特措法延長について国に対してどのような働きかけを行ったのかとの御質問でございます。  産廃特措法の延長は、本県のアール・ディエンジニアリング最終処分場問題の現状や取り組みを訴えながら、国の施策、予算に関する政策提案として、昨年度に引き続き、本年度も要望活動を行っているところでございます。  次に、3点目の政権交代したことにより、今後どのような行動を国、政府に対してとろうとしているのかとの質問でございます。  議員御指摘のように、「民主党マニフェスト+(プラス)滋賀」に掲げられていることからも、今後も引き続き要望活動を行うとともに、住民合意が得られた対策工を一日も早く実施計画書として取りまとめ、国と協議してまいりたいと考えております。  次に、4点目の6月議会以降、中立的第三者を交えた協議の場の設置のため、どのように住民に対して具体的な提案をしたのかとの質問でございます。  この協議の場の設置につきましては、本年4月以降、周辺自治会長や役員を対象とする説明会や、周辺7自治会の合同説明会を開催し、まず世話人会を設置し、その上で準備会を設置していくことや、県主導ではなく、協議事項や委員構成などについても住民の皆さんの御意見を反映し、十分話し合って決定していくことなどについて県の試案として取りまとめ、具体的に提案してまいりました。本年7月には、RD問題周辺自治会連絡会に、この中立的第三者を交えた協議の場は県としてぜひ必要であり、検討されたいと要請してまいりました。  次に、5点目のこの中立的第三者を交えた協議の場設置についての進捗状況と、住民の皆さんとの距離感や反応をどう感じているかとの御質問でございます。  これまでの説明会では、設置に向けて否定的な御意見をいただいておりますが、県では再度その必要性について説明し、検討を要請したところでありまして、これに対する正式なお答えはいただいていないところでございます。県としては、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題を解決していくためには、科学的な知見をしっかり共有する必要があると考えておりまして、RD問題周辺自治会連絡会や各自治会において、さらに御議論いただき、中立的第三者を交えた協議の場の設置に向けて前向きな対応がいただけるよう願っているところでございます。  もとより、この協議の場を提案した思いといたしましては、県は当事者として管理不行き届きという責任がございます。その当事者である県と、また、課題、問題を受けとめておられる当事者としての住民、その当事者同士で、なかなか方向が見えないというところから、この第三者を交えた協議の場を提案したところでございます。その根本的な方向につきましても御理解をいただきまして、ぜひとも協議の場の設置に向けて御理解をいただけるよう、県としても力を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、6点目の緊急対策工について、当初の予定どおり進捗しているかとの御質問でございます。  緊急対策工の設計業務は、7月29日に契約締結し、焼却炉撤去の設計は10月末に、その他の対策工の設計は11月末に業務を終える予定であります。  設計業務完了後、速やかに工事発注の手続をした後、工事を年度内に完了したいと考えております。  この緊急対策工事の地元説明会については、詳細設計を行っていく上での御意見をお尋ねするとともに、御質問にお答えするために9月4日に説明会を開催したところでありまして、今後も、詳細設計の完了前や工事の事前説明など、時期を逸することなく、しっかり行ってまいりたいと考えております。  次に、7点目の技術、効果、時期などを含めた住民の考え方を、県として、ここ数カ月の間に聞いてきたのかとの御質問でございます。  県の今後の取り組みの考え方や緊急対策の概要、および第三者を交えた協議の場の設置については、周辺自治会の自治会長や役員に案をお示しし、御意見をいただいた上で、周辺自治会合同説明会を開催し、住民の皆さんとの意見交換を行ってまいりました。  また、7月には、周辺6自治会で構成されるRD問題周辺自治会連絡会の要請により、有害物除去、緊急対策、産廃特措法、第三者を交えた協議の場、住民案提案とその支援といったテーマについて意見交換を行ってまいりました。  このような意見交換の場において、中でも有害物除去についてはRD問題周辺自治会連絡会から要望書をいただいておりまして、住民の皆さんの有害物除去対策案の工法などをお尋ねしておりますが、現在までのところ、明確にその工法案をお示しいただいていない状況でございます。  次に、8点目の住民案づくりに対する県からの支援内容と6月議会以降の成果についての御質問でございます。  住民案を提案するかどうかについては、住民の皆さんの間でいろいろな意見があると伺っておりますが、まずは、住民案の基本的な考え方を周辺7自治会で取りまとめていただきたいと考えております。また、常々申し上げておりますように、住民の皆さんの時間、また予算などが不足しているということを伺っております。その予算についても県として支援をさせていただきたいということは申し出をさせていただいております。そのような中で、住民の皆さんの求める支援、可能な限り支援させていただいて、さらなる展開を期待しているところでございます。  次に、9点目の6月議会答弁後の、効果的で合理的、かつ地元住民の皆さんの合意と納得が得られる対策が一日も早く実現できるための具体的な努力の成果についての御質問でございます。  昨年5月から実施した周辺7自治会への説明会の経緯や結果を踏まえ、中立的第三者を交えた協議の場の設置の提案を行うとともに、6月議会以降は、住民の皆さんが考えておられる対策工案について、人的および経費的な支援を行うことを表明してまいりました。先ほど申し上げたとおりです。  まずは、周辺自治会の皆さんが提案される対策工案が、具体的にどのような考え方なり、あるいは技術的な方法なのかをお尋ねし、また、皆さんが協議の場の設置をどのようにお考えなのか、お尋ねした上で話し合いを進めていく状況と認識しております。  なお、焼却炉の撤去など緊急対策の概要内容については、さきにお答えしたとおりでございます。周辺自治会の皆さんに説明を行っているところでありまして、焼却炉撤去などの緊急対策工事がなるべく早く円滑に着手できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  先ほど来申し上げておりますように、県としては、この問題に責任のある当事者として前向きに取り組んでおります。平成10年の硫化水素ガスの発生以降、大変大きな不安を住民の皆さんに与えてしまい、御迷惑をかけているところでございます。一日も早くこの問題が解決できるよう、当事者としての県、当事者としての住民が、前向きに協議の場を設定し、住民の皆さんの案をいただきながら、できるだけ早い解決を図ってまいりたいと考えております。  以上、民主党・県民ネットワーク、今江議員の代表質問にお答えさせていただきました。 ○議長(辻村克君) しばらく休憩いたします。   午後0時18分 休憩    ────────────────   午後1時16分 開議 ○議長(辻村克君) 休憩前に引き続き会議を開きます。    ──────────────── 諸 般 の 報 告 ○議長(辻村克君) この際、諸般の報告をいたします。  議第176号議案および議第181号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。    ────────────────
    ○議長(辻村克君) 次に、26番宇賀武君の発言を許します。 ◆26番(宇賀武君) (登壇、拍手)それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に基づき、自由民主党・真政会を代表いたしまして、7点にわたり質問をさせていただきます。  このたび、私ども、志を同じくする13人が9月7日、辻村議長に新会派結成届を提出し、受理いただき、新会派「自由民主党・真政会」を発足いたしました。不肖私、宇賀が会派代表に、佐野、中谷両議員が副代表として就任し、県民の目線に立って、県政の発展を目指し邁進する所存であります。  さて、今日までの政治の歴史をひもといてまいりますと、政治は絶えず政党間の離合集散の中で切磋琢磨され、国民や県民の負託にこたえるべき行動が図られてまいりました。その上に立って、このたびの第45回衆議院議員選挙を顧みますと、我が党は歴史的な惨敗を喫しました。その敗因を分析いたしますと、政局よりも政策を訴え、リーマンショックによる百年に一度と言われる金融危機に端を発した世界的経済不況からの一日も早い脱却を目指して打ち出されてきた麻生内閣の経済対策が評価されず、生活者重視の名のもとに、ばらまき的政策に国民が翻弄され、なおかつ小選挙区制度が目指す二大政党制、すなわち政権交代といううねりの中で、国民の手厳しい批判を受けた結果と申せます。  戦後60年余りが経過し、社会は大きく変化してまいりました。少子高齢化、高度情報化、国際化社会というグローバル化時代を迎えました。その一方、政府と地方の対等的な関係が叫ばれ、地方みずからが知恵を出し、自治本来の機能を構築する地方分権時代の到来も迎えました。  こうしたとき、新たな理念と制度のもとで、地方自治体が自主的運営と地方の権能を発揮することが求められております。そこでは必然的に地方自治体の自己決定権は拡大され、二元代表制のもと、県民の代表的機関として、また、最終意思決定機関として、県議会の果たすべき役割と責務は格段に重く、大きなものとなっております。  議会の本質的機能である立法機能や行政監督機能を発揮するために、存在感のある議会へと脱皮するため、さらには、表面的、部分的な変革だけではなく、初心に返った党再生を目指し、信念と理念を共有する議員とともに新会派を結成した次第であります。  県民の皆様初め、関係各位の御指導と御支援、さらには御理解のほど、よろしくお願い申し上げ、午前中の今江議員の代表質問と重複いたす部分もございますが、質問に入ります。  まず、今後の県財政の見通しと予算確保に向けた取り組みについて御質問いたします。  本県の予算も平成21年度当初予算は一般会計4,852億円と、2年連続で5,000億円を割り込み、景気後退の影響で県税収入も前年度対比408億円減の1,477億円に落ち込み、過去最大の下落幅を記録するありさまとなるスタートを余儀なくされました。  財政の見通しについては、今後も、例えば平成22年度においても230億円、それ以降でも毎年300億円を超える財源不足が発生するとお聞きしている状況です。このような、県財政が極めて厳しい局面に立たされている中、今こそ知事主導のもと、県民ニーズの絞り込みを行い、より明確に伸ばす方向性を打ち出さなくてはならないときが到来していると思われます。  県においては、平成19年に県政の基本方針である滋賀県基本構想を策定されています。また、昨年3月には、この構想を推進していくための戦略プログラムも作成されたところです。しかしながら、他方では、この厳しい財政状況に対応するために財政構造改革プログラムも策定され、事業の推進と財政の引き締めという、ある意味二律背反する戦略のかじ取りを強いられているのが現状ではないでしょうか。  このような流れの中、過日には平成22年度滋賀県県政経営の基本方針が出されました。この基本方針の中では、基本構想の戦略的な取り組みとして5項目の重点テーマが設定されております。その5項目とは、1つ、県民の「生命(いのち)」を守り、「不安」を「安心」に変える、2つ、社会で子育て、子育ちを支える、3つ、琵琶湖を守り、地球を守る、4つ、未来につながる、ブランド力を生かした元気な産業を育てる、5つ、誇りと生きがいの生まれる雇用を創るでありますが、来年度に向けて、この5項目を重点テーマとして設定された基本的な考えを、まず知事に伺います。  次に、同基本方針の第6項、財政構造のさらなる見直しへの取り組み、1、歳入歳出両面にわたる一層の取り組みについてで、歳入確保の点で県有資産の利活用程度しか触れられておりませんが、本当にこの程度のことで、来年度に予想される230億円の財源不足に対応できるのか、所見を伺います。  次に、平成22年度の予算編成について気がかりな点を、これも知事にお伺いいたします。  まず、さきの議会で議決されました6月補正予算のことですが、地域活性化・公共投資臨時交付金や地域活性化・経済危機対策臨時交付金などの活用を含む340億円の補正予算が提案され、185億円は本年度に事業実施、155億円は各種基金として積み立てられて3年間で執行することが、民主系会派を含む大多数の会派の賛同を得て可決いたしました。  しかし、今週から発足の民主党新政権では、マニフェスト実現のために、麻生政権が組んだ15兆円の補正予算を回収していく流れがあると伺っております。このことは、本県と各市町の今年度の事業執行と次年度以降の財政運営に多大な負の影響を及ぼすことが予想されますが、知事の御所見を伺います。  次に、県は厳しい財政状況の中で平成22年度予算編成に向け、その収支の均衡を図るために65億円もの事業費を削減する方向を検討しているとお聞きしておりますが、これは独自政策経費の3割に該当し、絞りに絞ったタオルをさらに絞り切り、繊維がちぎれてしまうほどの削減であり、福祉や環境など、県民の要望が高い分野にも波及することは必至であると思えます。この削減案の作成に当たり、知事はどのような考え方で見直しを行おうとされているのかをお伺いいたします。  次に、東海道新幹線新駅課題対応基金についてですが、知事はさきの会見で、栗東市に10億円を支出する補正予算を今議会に提案するかたわら、残りの30億円については一般財源に組みかえていく考えを発表されたとの報道がありました。  しかしながら、課題対応基金は、財政調整基金などとは違い、土地区画整理事業への対応や県南部地域振興を目的として積み立てられ、県自身も一昨年の新駅中止が決まった段階で、東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会総会において、当分の間、基金の据え置きを約束しています。  新駅計画跡地については、県も市とともに、企業立地によるまちづくりを方針として打ち出しているのは理解しているところでございますが、南部地域の振興も含め、いまだその先行きについては定まらぬ状況で、今度の基金条例改廃の方針が、栗東市や関係市はもとより、県民に理解していただけるのか、知事のお考えをお尋ねして、次の質問に移ります。  第三次滋賀県環境総合計画について、以下の項は、すべて知事にお伺いいたします。  滋賀県は琵琶湖とともにあると言っても決して過言ではありません。水と密接な関係をはぐくむ歴史を重ねてきました。それを前提とした、利水、治水から環境に至るまでの流れを振り返ってみれば、琵琶湖の水は飲料水として、農業や工業への産業用水として、また、そこにすむ魚をとっての水産業の場として、さらには、水が織りなす景観は人々に安らぎを与える観光資源としても重要視されてまいりました。  しかし、明治29年の大水害を初めとする、大阪府等との上下流の治水問題は、さきの大戸川ダム問題で南郷洗堰全閉解消は白紙に戻ったのではないかとの印象を与えています。昭和30年代の工業の進展、農業技術の高度化等による琵琶湖汚染は深刻な環境問題を惹起し、石けん運動から、高い規制値を乗り越え、こだわり農産物への取り組み等、環境先進県と評されるまでになりました。こうした歴史は、さきにまとめた滋賀県基本構想や、持続可能な滋賀社会ビジョンに受け継がれ、現在、県環境基本条例に基づく第三次滋賀県環境総合計画が策定されようとしているのであります。  そうした滋賀固有のテーマとあわせて、第三次滋賀県環境総合計画では、従来、余り関心事とはされなかったCO2問題、地球温暖化問題が、琵琶湖、滋賀県という地域限定でなく、地球規模でのテーマとして提示され、140万県民共通の課題となるに至ったと考えるものであります。  トイレを水洗化し、農薬、肥料の使用を減らし、工場排水の規則性を強化、クーラーの使用を減らし、個々の自動車の使用から公共交通への乗りかえ、食料自給率の向上、地産地消の推進等々を、家庭から職場、事業場にわたる取り組みと今日までの環境への意識は、大きな変化を求められているのではないでしょうか。うみのこでの取り組み、三重県の青山高原ウインドファームへの子供たちの遠足を兼ねた見学等、教育現場での意識は、赤潮や光化学スモッグなどとは異なる取り組みが求められています。日本有数の文化財を有し、豊かな歴史を共有する滋賀県民挙げて、すばらしい緑、水、文化を後世に残す、その歴史的な時を迎えていると考えます。  このような認識に立って、今般策定を進めている第三次滋賀県環境総合計画に関し、知事の所見を伺います。  まず、滋賀県の今日までのこのような環境への取り組みをどのように総括されているのかをお伺いします。  また、現在策定を進めている第三次滋賀県環境総合計画は、これまでに策定された第一次、第二次の計画とどのように違いを見せ、特色を出そうとしているのか、伺います。  新内閣では2020年に1990年比で温室効果ガス、マイナス25%という目標値を設定しようとしています。県では、国を超えるとも思われる目標を掲げていますが、これについては、どの分野でどれくらい削減することになるのか、また、どのように県民の理解と協力を得て進めていくのか、お伺いします。  最後に、国の目標値も、1世帯当たり年36万円の国民負担が発生すると試算されており、さらに、産業界からの反発も懸念されるところでもありますが、県ではこの点をどのように考えているのか、お伺いいたします。  流行ピークが予測される新型インフルエンザ対策について、これも、以下、知事にお伺いします。  厚生労働省は、国内のインフルエンザ流行時の入院者数、重症者数を予測した流行シナリオを発表しました。患者は、流行入りから8週間から9週間でピークを迎え、国民の20%が罹患した場合、最高で1日76万人が発症し、4万6,000人が入院する状況になると推計しております。最近では1日約2万人が感染していると見られており、この状況を流行シナリオに当てはめてみると、まだ流行入りしたばかりで、10月上旬にピークが訪れ、12月上旬には終息することになると報じられております。  確かに学校の夏休み明けから全国的に集団感染急増が報じられておりますが、まず、滋賀県での状況と流行予測についてお伺いします。  滋賀県においては、新型インフルエンザ感染が全国3例目として確認された5月時、病気そのものの実態がはっきりせず、さまざまな社会経済的混乱を来したのも事実であります。強毒性を意識した中からの対応でした。反省すべき課題として、危機を迎えたときに、寄せられてくるたくさんの情報の中から、事態を正確につかんで分析し、これからどんなことが起きるかをくみ上げ、どうするべきかを打ち出す力をつけていかねばならないと思います。  そこで、日に日に感染者がふえる今日、新型インフルエンザの実態や対応経験を踏まえて、今後どのように対応されていくのか、4点について伺います。  まず、医療の体制についてです。重症患者においては死亡例も既に増加しており、軽視できるものではありません。どういう人がどの程度の割合で増加し、どんな治療が必要なのか、しっかり知らせていくことが大切であります。  特に妊婦は重症化する傾向にあり、要注意と報道されておりますが、産科医師不足により産科医療の集約化が進み、広い地域に1カ所ある産科に妊婦が集中しています。そんなところに感染者が入ってきたらどうなるのか。また、妊婦は妊娠に伴う合併症で発熱する場合もあります。あえて発熱外来に行けば、そこで感染、重症化することも考えられます。そうしたことから、妊婦に対しては特別の対応が必要であると考えます。  新型インフルエンザの感染拡大状況を見ても、迎えるピーク時、今日までの診療体制で対応し切れないと想定できることから、妊婦を初めとする、ピーク時の診療体制をどうされるのか、お伺いします。  次に、有効治療薬とされ、大量の備蓄をしてまいりましたタミフルでありますが、耐性ウイルスが出ていることも報道され、不安をあおっております。これに対する所見と、備蓄したタミフルをどのように使用していくのかについて所見を求めます。  また、新型インフルエンザ用ワクチンの接種について、その供給量が限られていることから、接種優先順位についても関心は深く、ピーク時を控えて待ち望むのが一般的感情であり、今後の接種スケジュールについてもお聞かせください。  リスクを持たない人が感染しても新型インフルエンザと気づかないまま治るという例も考えられる、症状が比較的軽度であるということは救いでもあります。しかし、感染者によっては死亡に至ることも判明いたしている今日、その感染経路を絶つことは、大きな効果を発揮します。流行を少しでも小さくするため、各自治体や個人でどのように取り組んでいくのか、感染拡大防止の広報を徹底していかねばなりません。まず、県民にどのようなことを周知していかれるのでしょうか、お尋ねします。  今回の新型インフルエンザに関しては、懸念された鳥インフルエンザのような高い致死率の強毒性でないことが幸いでありました。しかし、一定のリスクを負う人たちがありました。健康な人々は、自分が感染し発症しても重症化しないと安心するのではなく、自分を起点として感染していく先には重症化する人がいる可能性があるという認識のもとに、かからない、うつさないを一人一人が自覚することが必要と思います。簡単なこと、マスク、うがい、手洗いの実行を提案しておきたいと思います。  また、5月以降の対応で、保健所を初め、担当職員の疲労こんぱいも並大抵でなかったとも聞いております。姿の見えない相手から県民を守るため、相当の緊張の中での残業の連続というのは、効果的な仕事ができないし、何より本人の健康を危うくします。今後のピーク時への対応として、医師や保健師など、インフルエンザ対策に携わる職員の数は今のままで十分とは思えません。職員の健康管理の徹底や、担当者の手厚い配置をお願いして、次の質問に移ります。  次に、地域商業の振興についてお伺いします。  国の月例経済報告によりますと、6月、7月と2カ月連続して、景気の基調判断を上方修正し、昨年から続いた経済状況は一応底を打ったと考えられます。このことは、政府が行ってきた景気対策の効果によるところが多分に大きいと言えるのでしょう。しかし、本県においては、生産動向や消費動向は持ち直しつつあるものの、雇用関係の回復は見られず、依然厳しい状況が続いております。  特に商業関係では、景気後退による消費不振に加え、大規模小売店舗の進出、都市機能の郊外化による中心市街地の人口減少、商店経営者の高齢化等による担い手不足などにより、小規模小売店などを含む商店街は衰退の一途をたどっているのが現状であります。  こうした状況を改善するために、国においては、まちづくり三法が改正されたところであり、滋賀県においても、大津市、守山市、長浜市において中心市街地活性化基本計画が策定され、申請、認定、事業着手が行われているところです。  特に中心市街地活性化法の改正は、今まで国、県に提出されていたものが、今は内閣府に直接、市町から提出されることとなっており、県は助言をするのみという状況となっております。これはまさに地方分権の一環であり、県を通してではなく、直接、国と市町が話をするという状況があります。その中で、県として商業振興策をどのように進めようとされているのか、また、それを踏まえて、市町の取り組みをどうバックアップするのか、知事にお伺いします。  また、大型店の出店は、県内において加速しております。平成21年度8月現在において店舗数で203、売り場面積においても県内の61.2%を占め、増加は著しくなっております。大型店の立地というものは、県内の消費を刺激するだけでなく、多くの雇用を創出することで県内経済に対するよい影響も見られますが、その一方で、既存の商店街との共存や交通渋滞、ごみ問題、騒音対策など、多くの問題が見られることも事実です。  来年度も大型店の出店が計画されているようですが、地域経済に多大な影響を与えることを考えると、大型店にも当然、地域貢献というものを考えていただく必要があると思います。県として大型店と商店街の共存を進めていく上でどのような指導を今後考えていらっしゃるのでしょうか、知事にお伺いします。  今は財政が厳しい状態であります。しかし、経済活動があって地域は元気を取り戻すのです。元気をつくり出す源の地元の経済活動をしっかり支える政策を進めることが急務であります。その点を踏まえて、滋賀県の商業というものを考えていただきたいと思います。知事として、滋賀県商業の未来をどのように描いているのか、この項の最後に伺います。  次に、日米FTA締結交渉に関して2点、知事にお伺いします。  農業者は、WTO農業交渉において、多様な農業の共存を基本に、消費者を初め、国民の理解を得ながら、国民運動として、農業の多面的機能や非貿易的関心事項を貿易ルールに反映させるよう主張してきました。また、米の需給調整と価格維持を図るため、米の計画生産を行うとともに、食料自給率向上を目指し、水田をフル活用した戦略作物──麦、大豆、飼料用米、米粉用米等の作付を行っているところであります。  こうした中、原則関税撤廃を目指すFTA──自由貿易協定交渉において米国との締結を進めようとするならば、米国はみずからの関心品目である米、麦、豚肉、牛肉等の完全撤廃を求めてくることは必至であり、これらの品目の関税が撤廃されれば、食料自給率の向上どころか、我が国農業、農村、ひいては地域経済社会にも壊滅的な影響を与えることになります。本県の平成19年の農業産出額は586億円でありましたが、これに甚大な影響を与えるのは必至であります。  さらに、農畜産物の販売価格と生産費の差額を補償する戸別所得補償制度についても、例えば米が9,990円/60キログラム──平成20年度第8回SBS入札価格・アメリカうるち精米短粒種──で輸入されれば、極端な低価格にしない限り国内産米が販売できず、戸別所得補償制度も実質的に実行できなくなってしまうことになります。  また、WTO農業交渉における、8年にも及ぶ粘り強い努力を無にするものであり、日米FTAは他国からも同様の扱いを求められることから、所得の増大を望む農家や、自給率の向上を望む国民を裏切る行為であると言わざるを得ず、断じて認められません。  滋賀県の母なる琵琶湖の水や治水などの環境を守ってきた水田。古来から近江米をはぐくみ、伝統文化の中心となった水田。また、水田を中心とした集落営農組織などを崩壊させないためにも、我が国の農業を市場原理主義の犠牲として差し出すような日米FTAの締結は断固阻止しなければならないと思います。  そこで、1点目は、日米FTAの締結による本県の農業、農村への影響はどのようなことになるのか。2点目は、日米FTAの締結交渉を阻止するよう、滋賀県としても国に働きかけをされるのかどうか、お伺いいたします。  交通基盤整備についてお伺いします。  本県は、近畿圏、中部圏、北陸圏の結節点に位置し、古くから交通の要衝として栄えてきました。また、全国的にも有数の工業県であるとともに、今後もしばらく人口の増加が見込まれる、数少ない県であります。こうした本県の特性を生かし、将来にわたって快適で活力のある地域社会を形成するために、人や物の交流を支える道路や鉄道など交通基盤の整備は欠かすことができないものであると存じます。  そこで、まず、交通基盤整備のうち、道路整備についてお伺いします。  本県においては、国道1号、8号、161号や名神高速道路、新名神高速道路などの国土幹線道路が通過しているところです。また、これらを補完する形で、県で管理する主要地方道路等があり、幹線道路網が形成されています。ところが、このような幹線道路では、県南部を中心に渋滞が慢性的に発生しており、このまま放置できない状況にあると思います。将来の県土の発展のためには、社会基盤の整備、とりわけ道路の整備が必要であります。  その整備に必要なのは、何といっても財源であります。嘉田知事におかれましては、道路暫定税率の廃止に反対の立場をとっておられると仄聞しておりますが、もしこれが廃止ということになりますと、本県にとりまして、軽油引取税部分だけでも平成20年度決算ベースで約65億円もの税収減となると見込まれるところであり、県政のトップリーダーとして当然の態度を示されていると納得しているものでございます。  県の財政状況が非常に厳しい中ではありますが、本県の道路整備について、今後どのように進めていこうとされるのか、知事にお伺いいたします。  次に、鉄道の整備について、中でも早期実現が望まれている草津線の複線化についてお伺いします。  JR草津線は、琵琶湖線の草津駅から関西本線の柘植駅までを結ぶ約36.7キロメートルの鉄道で、1890年──明治23年2月に全線が開業され、来年2月には120周年を迎える、歴史ある路線です。現在では通勤、通学の利用者が多い、日常生活に欠かせない路線となっています。また、近畿圏と東海圏を結びつける県域を超えた動脈であり、近江鉄道、信楽高原鐵道と貴生川で接続することで、県域の鉄道ネットワークを担う重要な交通基盤として位置づけることができます。  草津線複線化に向けた活動は、1966年──昭和41年に、沿線市町とともに滋賀県国鉄草津線複線電化促進期成同盟会が設立され、当時の国鉄、今はJRに対し、要望を続けてきております。この間、1980年──昭和55年3月に全線が電化され、また、草津貴生川間の区間列車が設定されて、昔に比べると大変便利になったところであります。  しかしながら、草津線は県内のJR線で唯一の単線であり、これ以上のダイヤの増便が難しいことから、地域住民の方々からは諸々の苦情が我々の耳に入ってきているところであります。これも、複線化がなされず、今以上に朝夕の運行本数をふやすことができないことが根本的な要因と聞いているところであります。  こうした状況を踏まえますと、草津線の複線化は緊急性の高いプロジェクトであり、予算の厳しい中ではありますが、早急に整備されるべきものと考えますが、草津線複線化の早期実現に向けて、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、お伺いします。  次に、教育問題について、教育長に伺います。  まず、学力問題についてであります。  義務教育段階での普通教育は、各人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家および社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものであります。そして、この義務教育段階での学力を確実に身につけさせることは国民の大きな願いであり、このことについての国や県の取り組みに注目しているところであります。  こうした中で、国全体の教育水準を確保するため、子供たちの学力や学習状況をきめ細かく把握、分析するとともに、教育および教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることを目的に、平成19年度より、全国学力・学習状況調査が実施されてきたところであります。  8月27日に公表された今年度の結果について都道府県別の平均正答率で見てみますと、本県の小学生、中学生は、国の示しております全国平均の前後5%内に位置し、全国並みであるとされているものの、中学校数学のA問題、B問題を除くと、全国平均を下回っていることや、小学生の学力の状況に十分な改善が見られないことに残念な思いをしているのは、決して私だけではないと思っております。  そこで、教育長に、次の2点についてお伺いいたします。  1点目は、今回の全国学力・学習状況調査の本県の結果を受けて、滋賀の子供たちの学力や学習状況についてどのように考えておられるのでしょうか。  2点目は、学力改善策について、これまでからも結果の活用と改善に取り組んでこられたと聞いておりますが、これまでの改善に向けての取り組みの成果と、今後、学力向上に向けて、どのように取り組もうとしておられるのか、お伺いします。  この項最後になりますが、次に、不登校の状況についてであります。  急速に変化する社会の中で、すべての子供たちが、豊かな人間性や社会性、また、みずから考え、主体的に判断し、行動する力を身につけ、自己成長、自己表現を図っていくことが、今日強く求められています。それは子供自身の願いでもあることはもとより、県民すべての願いでもあります。そして、そのような力を身につけるためには、社会への一歩とも言える学校へ通うこと、そして、子供たち同士が互いに触れ合い、支え合い、学び合うことが重要であると考えます。  その意味で、児童生徒が登校しない、あるいは、したくともできない状況にある不登校の問題は、だれもが真剣に向かい合い、早急に具体的な対応策を講じ、責任を持って実行していかなければならない課題であるとも思われます。とりわけ本県においては不登校児童生徒の割合が全国と比べても高いことから、教育長におかれましても、本県教育の重要課題としてとらまえて、さまざまに対応していただいているところであります。  このような中、先月、平成20年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果が公表され、全国の小中学校における不登校児童生徒数は、前年度比1.9%減の12万6,805人で、3年ぶりに減少し、全児童生徒に対する割合も1.18%で、前年度を0.02ポイント下回ったと報道されたところであります。  そこで、教育長に、2点についてお尋ねします。  1点目は、今回の調査において、県内の公立小中学校の状況はどのようなものでありましたか、お尋ねいたします。  2点目は、県教育委員会では、その結果をどのように分析され、今後どのように取り組んでいかれるかを、お伺いいたしまして、自由民主党・真政会を代表しての質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(辻村克君) 26番宇賀武君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)自由民主党・真政会の宇賀議員の代表質問にお答えさせていただきます。  まず、基本構想の推進と今後の県の予算確保について、5点の質問にお答えさせていただきます。  1点目の平成22年度滋賀県県政経営の基本方針において、5項目を重点テーマとして設定した基本的な考え方についてでございます。  本県の財政状況は、既に御説明しておりますように、平成22年度以降においても巨額の財源不足が生じる危機的な状況となっており、まさにがけっ縁の事態でございます。そうした極めて厳しい財政状況の中にあっても、県の使命をしっかりと果たしていかなければなりません。  昨年秋以降の経済不況などにより、先行きの不透明感が増している中、県民の皆さんが直面しているさまざまな不安、すなわち、1つには景気悪化による経済・雇用の不安、また2点目には、医療や全国的に頻発する災害などの、目の前の命への不安、そして3点目には、地球温暖化問題など、将来の環境への不安がございます。そのような「不安」を「安心」に変える政策がまず求められていると考えております。  それと同時に、未来に向けて、まずは、子供が生まれ育つこと、あわせて、滋賀の本来持っている素材に磨きをかけ、強みを発揮できる産業を育て、潜在力を引き出しながら、活力ある滋賀をつくっていくこと。このような喫緊の課題に対応し、将来世代に責任を持っていくことがまさに県の使命と考え、今回の重点テーマを設定したところでございます。  これまで、滋賀らしさを埋め込み、県独自でさまざまな工夫を重ね、歴史的に蓄積してきた事業は各種ございます。環境、教育、福祉、文化、それらの事業に大きな見直しをしなければならない財政状況であります。私としても非常に悔しい思いでございますが、以上のような重点テーマに確実に誠実に取り組むことにより、県民の皆さんのさまざまな不安を安心に変えるとともに、滋賀の未来に向けて種まきとなる成長戦略として取り組んでいきたいと考えております。  次に、2点目の県政経営の基本方針において歳入確保の点で、県有財産の利活用程度しか触れられていないが、この程度でこれからの財源不足に対応できるのかとの御質問でございます。  平成22年度の予算編成に向けては、県有資産の活用を初め、財源対策的な基金の活用、また、県債の発行など、歳入確保に最大限取り組む一方で、歳出についても、さらに一層の見直しに取り組まなければならないと考えております。  さらに、これら県の自助努力に加えて、国に対しては、分権化の実現、とりわけ地方交付税の増額や、さらなる税減移譲、また、国直轄事業負担金の廃止などについて、引き続き強く求めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の国の補正予算の見直しに係る所見についてでございます。  新政権による国の補正予算の見直しについては、現時点ではその取り扱いが不透明な状況でございます。ただ、地方自治体に係るものについては確実に確保される必要があると考えておりまして、先日9日にも知事会等を通じて申し入れをしたところであります。  いずれにしても、今後とも、その動向を十分注視してまいりたいと考えております。  次に、4点目の平成22年度の予算編成に向けた事業費削減案の作成に当たり、どのような考え方で見直しを行おうとしているのかとの御質問でございます。
     来年度において230億円の財源不足が見込まれる一方で、財源調整的な基金の残高が約50億円となるという大変危機的な財政状況に対応しなければなりません。そのためには、歳入歳出全般にわたって見直しを検討する必要がありまして、現在、庁内での検討作業を進めております。  見直しに当たりましては、基本構想の戦略的な取り組みとして掲げた、県民の「生命(いのち)」を守り、「不安」を「安心」に変える政策を初めとする、先ほど御説明いたしました5つの重点テーマを踏まえ、見直すよう指示したところであります。そうした中で、何を残し、何をやめるのかという厳しい選択を行いながら検討を進め、将来にわたって持続可能な県政運営を行うための土台をしっかり築いてまいりたいと考えております。  次に、5点目の東海道新幹線新駅課題対応基金条例の改廃についてでございます。  この方針が、栗東市、関係市、県民に理解いただけるかについてのお尋ねでございますが、課題対応基金については、県南部地域の振興や土地区画整理事業への対応といった、協定類終了に係る諸課題に対応するための財源の枠を維持するとともに、当面の課題に対応するために設置したものでございます。  したがって、これまでから県議会でも申し上げておりますように、諸課題に一定の方向性が見えた段階においては、所要経費を確保し、基金条例の取り扱いについて検討することが必要と考えております。  現在の諸課題の進捗状況を見ますと、(仮称)南部地域振興プランについては、県および栗東市を含む関係7市で構成する南部地域振興会議において事務的な詰めを行っているところであります。また、後継プランについては、栗東市とともに、地元地権者の方々にも新たなまちづくりの方向性などを説明させていただいておりますが、いずれのプランについても、現状では関係の皆さんの御理解をいただいたとまでは言える状況ではありません。  さきの提案説明では、今後も継続して課題の解決に向けた取り組みを進めることにより、できるだけ早期に解決を図ってまいりたいという強い思いから、課題に一定の見通しを立てた上で11月県議会には現行基金条例の改廃を提案してまいりたいと申し上げたものであります。したがいまして、今後とも、早期の課題解決に向け、栗東市を初め、関係市や地元の皆さんと精力的に話し合いを重ね、皆さんに御理解いただけるよう努めてまいります。  また、現行基金条例の整理に当たりましては、県議会と十分協議させていただき、県民の皆さんの御理解を得てまいりたいと考えております。  次に、第三次滋賀県環境総合計画についての4点の質問にお答えいたします。  まず、1点目の滋賀県の環境への取り組みの総括についてでございます。  今日までの取り組みを振り返ってみますと、高度経済成長期に発生した、さまざまな公害問題に対しては、昭和44年に制定した公害防止条例などにより、工場などの発生源への規制による未然防止に努めてまいりました。一種の特定工場、特定排出源に対する公害対策でございます。  一方、その後、琵琶湖の富栄養化問題などが発生いたしまして、昭和52年に淡水赤潮が発生しました。これをきっかけとして、特定の工場ではなく、いわば、普通に生活をする日常生活の結果として、問題となる生活環境問題が発生してきたわけでございます。この問題につきましては、石けん運動を背景とし、全国の先駆けとなる富栄養化防止条例を制定し、さまざまな水質保全対策を推進してまいりました。  その後も、平成4年にはヨシ群落保全条例、また、ごみ散乱防止条例、さらに、平成14年には琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例を制定するなど、より面的、予防的な取り組みを積極的に進めてまいりました。  一方、地球的規模で環境問題が深刻化する中で、平成20年には、持続可能な滋賀社会ビジョンを策定し、地方自治体としては先駆的と言える、温室効果ガスの50%削減目標を掲げ、持続可能な地域社会づくりに取り組んできたところでございます。  このように県はその時々において、環境の課題、何が問題であるのか、その問題の原因を見きわめながら、確実に、また、将来を見据えて政策を推進してまいりました。特にその過程におきましては、県民や事業者の皆さん、それぞれに主体的に環境保全活動を実施してこられました。こうしたことが全体としては、滋賀県は環境県であるという内外からの評価につながっているものと思っております。  同時に、近年の課題といたしましては、琵琶湖の環境は、底層部の低酸素化、水草の大量繁茂、外来動植物の侵入など、新たな危機にさらされております。また、この危機は、先ほど、昭和40年代から課題でございました、工場排水による公害問題、あるいは生活排水による生活環境問題のような枠をさらに超えて、地球規模での環境問題として、滋賀県、琵琶湖にあらわれているわけでございます。  そのような中では、地球規模の問題であるから手が出せないということではなく、地球環境問題であっても、まさに問題が今目の前にあらわれている、地球環境の小さな窓である琵琶湖として前向きに取り組んでいく必要があると考えております。その延長線上に、持続可能な滋賀社会の実現がございます。こうした新たな課題に対しても果敢に挑戦していかなければならないと考えております。  さて、2点目の今回の第三次滋賀県環境総合計画の特色でございます。  この第三次滋賀県環境総合計画については、去る6月定例会で策定状況を報告したところでありまして、現在は素案の段階です。次期定例会で御審議いただきたいと考えております。  その特色としては3点あります。まず1点目には、持続可能な滋賀社会の実現を目指すという、将来の目標を極めて明確に示していることでございます。また、2つ目には、環境政策全体の長期的な目標を、ライフスタイルの将来として低炭素社会の実現、また、自然環境の将来として琵琶湖環境の再生の2つに絞り込んでいるところでございます。3点目の特色は、それぞれの目標について明確な姿を示している点、特に、前者については2030年温室効果ガス排出量を1990年比で半減という数値的目標を掲げております。また、後者については、生態系や水環境に加え、人々の暮らしと琵琶湖のかかわりの再生という大変総合的な目標を掲げております。  そして、この3つの特色が個別の施策の方向に織り込めるよう、水環境、自然環境、廃棄物といった分野ごとに、低炭素社会の実現と琵琶湖環境の再生という2つの目標に向けた戦略的視点を示していることにも特色がございます。  次に、3点目の新政権のマニフェストで掲げる目標を超えると思える県の目標について、どれくらいの削減になるのか、また、どのように県民の理解と協力を求めるのかとの御質問でございます。  IPCCの指摘によれば、地球規模での温暖化によるリスクを回避するためには、2050年までに全世界で現状から温室効果ガス排出量を少なくとも50%削減、中でも先進国には80%以上の削減が求められております。我が国は、平成20年7月に策定された、低炭素社会づくり行動計画において、2050年に60%から80%の削減を、本県では第三次滋賀県環境総合計画素案において、2030年に50%削減を目標として掲げました。また、新政権はマニフェストで、2020年に1990年比25%削減を目標とすることを表明しております。  このような中長期的なスパンの中で高い削減目標を目指すためには、大量生産、大量消費、大量廃棄に象徴される20世紀型の石油文明から、新たな社会への変革を目指す必要があり、いずれの目標も、目指す方向性は同じと考えております。  持続可能な滋賀社会ビジョンにおいては、温室効果ガス全体の削減量のうち、14%を家庭部門において、30%を業務・産業部門において、29%を輸送部門において削減することとしておりまして、これに、森林による二酸化炭素の吸収量増加6%、エネルギー供給者側でのエネルギー転換21%を加えることにより、温室効果ガス排出50%削減を目指しております。  その中では、将来の望ましい状態から現在の対策を考えるバックキャスティング手法により検討し、省エネ型のライフスタイルへの転換、機器の効率化などの技術革新、交通やまちづくりといった社会構造を変えていくことにより目標の達成は可能であると試算しております。  こうした前提をもとに、本県では今年度から、温室効果ガス排出50%削減のための道筋を示すロードマップを作成することとしておりまして、あわせて、新たな条例の制定に取り組んでおります。これらの取り組み過程において、本県の考え方や目指すべき持続可能な社会に対する共通の理解と社会像の共有を図る中で、環境への高い意識と県民性を持つ滋賀県だからこそできるという熱い思いで、県民の皆さんの理解と協力を求めていきたいと考えております。  4点目の新政権マニフェストの目標に対して、1世帯当たり年36万円の国民負担の試算や、産業界からの反発の懸念をどう考えているかとの御質問でございます。  まず、国における1世帯当たりの国民負担の試算については、現在の産業構造や技術体系に基づいた議論がベースになっておりまして、温暖化対策を講じることによる環境産業の創出や内需の拡大、雇用の確保といった観点も含め、もっと広い視点で議論がなされるべきものと考えております。  また、温暖化対策は家計のみが負担するものではなく、産業界のみに削減義務を課すといった問題でもなく、社会全体で考える必要があります。加えて、対策の実施による負担、これが社会的に強調されがちでございますけれども、対策を講じなければ損なわれるであろう、生態系、水資源の価値を勘案しながら、どうあるべきかを考えなければならない問題でございます。特に、琵琶湖を抱える滋賀県においては、既に琵琶湖の湖底の低酸素化というような深刻な問題が出始めていると理解しております。  このような中で、国民負担の議論は大変複雑な問題を含んでおりまして、本県独自に試算することは困難ですが、本県のロードマップ、条例の検討の過程では、2030年の温室効果ガス排出50%削減に向けて、必要な費用や各主体での役割分担などの広い視野で検討するとともに、県民の皆さんを対象に、その検討の早い段階から御意見をお聞きし、議論を行うこととしております。  特に、御質問のあった産業界については、既に県内の経済団体とは意見交換を始めたところでありまして、問題解決に向けて一緒に取り組んでいこうという思いを受けとめさせていただいております。今後も引き続き、幅広く関係団体の方々と十分議論し、温暖化対策の実行に向けた理解と協力が得られるよう、精いっぱい取り組んでまいります。  次に、新型インフルエンザ対策についての5点の質問にお答えさせていただきます。  まず、1点目の滋賀県での現状と流行予測についてでございます。  発生動向を1つの医療機関で1週間当たり何人の新型インフルエンザの患者を診察したかという指標で把握しております。この指標を用いて、9月7日から9月13日の1週間で見ますと、全国では3.21人、滋賀県では3.08人となっております。  流行予測については、御質問にあります8月28日に厚生労働省が発表した流行シナリオを滋賀県に当てはめますと、ピーク時には1日当たり約8,000人が発症し、そのうち約500人が入院されるものと見込んでおります。  次に、2点目の妊婦の受診を初めとするピーク時の診療体制の御質問にお答えします。  まず、外来の診療体制についてですが、5月には、新型インフルエンザに感染したおそれのある方々は発熱外来で受診していただきましたが、感染者の身近なところでもっと外来診察の窓口をふやして受診できるように準備をしております。具体的には、8月以降、医療関係者を対象とする説明会を開催してまいりました。また、院内感染を防ぐための設備を支援することとし、必要な補正予算案の審議をお願いしております。  入院については、5月には、感染が確認された方は感染症指定医療機関への入院といたしましたが、既に8月以降、一般の医療機関で入院されています。この秋以降は、すべての医療機関で受け入れていただけるよう、必要な準備をしております。  特に妊婦への特別な対応についての御質問ですが、滋賀県産科婦人科医会では、妊婦が新型インフルエンザに感染した場合、かかりつけの産科医師とよく相談し診察を受け、重症化するおそれがある場合には、入院して治療を受けることが必要とされております。このため、医療圏ごとに受け入れ病院の確保を進めているところでございます。他の妊婦への感染拡大を防止するための陰圧ベッドの整備の支援に必要な補正予算案の審議を今議会でお願いしております。  また、3点目のタミフル耐性ウイルスと備蓄タミフルの使用についての所見でございます。  タミフルの効かないウイルスが全国で7例確認されております。9月7日から9月13日までの1週間に全国で受診した患者数が約18万人と国立感染症研究所が推定しておりますが、タミフルによる治療が行われている国内の状況を見ましても、多くの方々の治療にタミフルが有用なことは否定できないことと考えております。御指摘のタミフル耐性の課題は見過ごすわけにはまいりませんので、今後の備蓄に当たっては、リレンザの備蓄割合の引き上げを検討する必要があると考えております。  備蓄タミフルの使用についてですが、医療機関が購入するタミフルが不足した場合には、直ちに、県が備蓄するタミフルを提供し、治療に支障が生じないよう努めております。  次に、4点目のワクチンの接種スケジュールについてでございます。  9月中に接種対象者の調査を行い、国に報告することとなっております。10月には、医師および市町による県インフルエンザ対策会議の意見を聞いて、国が配分するワクチンの量に即して、接種を始める時期、接種を行う期間を定めます。10月下旬には、円滑にワクチンの接種が開始できるよう、必要な準備を整えてまいります。  次に、5点目の感染拡大防止の広報についてでございます。  県広報誌滋賀プラスワン9月号に、県民の皆さんに予防の取り組みを呼びかける記事を掲載いたしました。  また、児童福祉施設、老人介護施設、障害者施設では、職員の方々を対象に、予防の徹底と、入所者や職員に発症した場合の必要な対応などについて、8月以降、研修会を開催してまいりました。  最近、新型インフルエンザに感染していないか証明をしてほしいなどの相談が医療機関に寄せられています。症状がない方への検査の必要性は大変低く、検査目的の受診がふえることで医療機関への負担が増大いたしますので、このような受診を控えていただくよう呼びかけております。  県民の皆さんには、正しい知識に基づいて、新型インフルエンザの感染拡大防止に冷静な対応をされますよう重ねてお願いしたいと考えており、県のホームページにも掲載したところでございます。  次に、地域商業の振興についての3点の質問にお答えさせていただきます。  まずは、1点目の県として商業振興策をどのように進めようとしているのか、それを踏まえて市町の取り組みをどうバックアップするかについてでございます。  旧中心市街地活性化法では、従来、中心市街地活性化基本計画は市町から国と県に送付するものでございましたが、平成18年の法改正で、市町から直接国へ申請し、国による計画認定が行われるようになり、商業等の活性化に意欲的に取り組む市町を、国が直接、選択と集中により重点的に支援することとなりました。  このような法改正後においても、市町の基本計画は、商業振興に加え、公共施設等の市街地集積やまちなか居住など、多様な取り組みを一体的に盛り込むものであることから、県では、その整合性や市町との連携確保のために、中心市街地活性化協議会を通じての助言や、計画策定に当たっての調査費や会議等の費用への助成など支援を行ってきたところでございます。  また、大型店の郊外立地、空き店舗の増加などの課題が切実となってきた状況を踏まえ、中心市街地活性化懇話会を設置いたしました。その提言を踏まえて、多様な主体の参画によるまちづくりを促しながら、挑戦する商店街を対象とし、昨年度より県単独の補助事業として、にぎわいのまちづくり総合支援事業を創設し、支援を行ってきたところでございます。  このような取り組みを通じて、商業振興に熱心な商店街と市町に対し、県としても積極的なバックアップをしてまいりたいと考えております。  次に、2点目の大型店と商店街の共存を進めていく上での指導についての御質問でございます。  大型店と商店街の共存を進めていく上において最も重要なことは、大型店による地域貢献と考えていることから、昨年、地域貢献のあり方と、さらには事前協議の手続を定めた、大規模小売店舗の立地に関する事前協議および地域貢献に関するガイドラインを策定し、本年4月1日から施行したところでございます。  このガイドラインでは、これまで取り組みがおくれていた大型店に対して、商工会、商工会議所への加入や、商店街が実施するイベント等への協力など、いわゆる地域貢献活動をしっかり行っていただくこととしており、本年9月までに地域の実情に合った地域貢献活動を、営業年度の終了後には活動報告を自主的に提出いただくこととしております。さらには、これを実効あるものとするため、県のホームページ上でも公開する予定でございます。  このような大型店による地域貢献の取り組みを推進することによって、大型店と商店街との共存をさらに進めてまいりたいと考えております。  最後に、3点目の本県の地域商業の未来をどのように描いているかとの御質問でございます。  今後、地域商業の未来を描くためには、商業のみでなく、まちづくりや生活者のニーズに合わせた複合的な視点に立つことが重要であると考えております。このため、商店街のにぎわいやコミュニティー機能を再生し、商店街が地域の核としての役割を果たせるよう、医療、福祉を含めたサービス産業や観光産業あるいは農業などとも連携しながら、地域の交流の場となるような取り組みが必要であると考えております。  また一方で、人的な側面といたしましては、地域に根差した活動を展開している商工会、商工会議所の経営指導員がコーディネーターとなり、商店街や地域住民、地域団体等を一体化させて、総合的な視点から地域のにぎわいをつくり出すことも、地域商業の活性化のためには重要なことと考えております。  今後とも引き続き、これらの取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、日米FTA締結交渉による本県農業への影響、また、締結交渉を阻止するための国への働きかけについての御質問にお答えさせていただきます。  日米FTA交渉の詳細は、今のところ、まだ明らかとはなっておりませんが、その内容によっては、水田を中心とする本県農業においては、担い手の経営はもとより、集落営農組織や農村地域の共同活動にまで影響するのではないのかと危惧しております。議員がそれぞれ御丁寧に御説明くださいましたように、滋賀の本来持っている集落の力、また、水田農業の力、そして多面的な機能、このような本質的な側面にまで影響するのではないのかと危惧しております。  そのような中で、日米FTAの締結交渉を阻止するための国への働きかけについてでございますが、仮に国が日米FTA交渉に取り組まれるのであれば、関税撤廃が日本の農業に与える甚大な影響を十分考慮されるよう、また、滋賀県のこれまでの取り組みや実情をしっかりと訴え、我が国の農業、農村が将来にわたり持続的に発展していく立場に立つよう、国に求めていきたいと考えております。  次に、本県の交通基盤の整備について、財政状況が厳しい中、道路整備をどう進めるのかとの御質問にお答えさせていただきます。  本県の国道および県道の整備率は約49%となっておりまして、全国平均の約57%に比べると低い状況でございまして、議員御指摘のとおり、県南部を中心に渋滞の発生が見られております。  本県では、道路整備を進めるに当たっては、地域の意見を聞きながら、費用対効果、上位計画や地域振興計画への位置づけ、地域活性化の支援などの評価指標に基づき、道路整備アクションプログラムを定め、効率的、効果的な道路整備に努めてきたところでございます。  しかしながら、昨年度行ったアクションプログラムの見直しに当たりましては、厳しい財政状況の中、事業の進度調整や新規着手の先送りなどにより、平成20年度から平成24年度までの5年間の投資額を約7割まで縮減したところでございます。このような状況ではありますが、県の将来の発展のため、道路の整備は引き続き取り組んでいかなければならない重要な課題であると認識しております。  今後は、国において国道1号や8号などの整備が図られるよう働きかけるとともに、県においては、より一層の選択と集中に努め、大津湖南幹線や山手幹線を初めとする幹線道路の整備を優先させ、広域幹線道路網の形成を図ってまいりたいと考えております。  次に、草津線複線化の早期実現に向けて、どのような取り組みを今後進めようとしているのかとの御質問にお答えさせていただきます。  草津線各駅の1日当たりの利用者数は、ここ十数年ほぼ横ばいで推移しておりまして、利用状況に応じて輸送増強を行うとのJRの方針から見て、より一層の利用促進策を展開する必要があると認識しております。  昨年度実施した草津線輸送改善基礎調査の結果をもとに、本年度は、県とJRとの担当課長レベルで実施している勉強会を通じて、草津線の具体的な輸送サービス向上施策の検討、需要予測や概算事業費の算定、費用対効果の分析等を行うこととしております。  また、草津線は、議員も御指摘のように、来年の2月に全線開通120周年、3月には全線電化30周年の節目を迎えることになります。沿線地域が一体となって、JR西日本とタイアップした観光誘客事業を展開し、駅と観光地を結ぶ巡回バスの運行やレンタサイクル等の整備を行うこととしております。さらに、沿線住民の機運醸成を図るため、地域フォーラムの開催や地元駅定期券購入キャンペーンを新たに実施してまいります。  こうした取り組みを進めながら、早期にJRから複線化を前提とした輸送改善事業の実施について同意が得られるよう、一層努力してまいります。  以上、自由民主党・真政会の宇賀議員の代表質問にお答えさせていただきました。 ◎教育長(末松史彦君) (登壇)教育問題についての御質問のうち、まず、学力問題についてお答えします。  1点目の滋賀の子供たちの学力や学習状況についてどのように考えているかについてでありますが、本県の小中学校の子供たちの平均正答率は、すべての教科で全国平均のプラス・マイナス5%の範囲にあり、ほぼ全国的な水準にあるととらえており、中学校では数学が全国平均を上回るなど、改善の成果が見られるようになってきております。しかし、小学校では、国語、算数ともに全国平均を下回る状況にありますことから、さらなる学力向上に向けた授業改善の取り組みが必要であると考えております。  教科に関する調査からは、基礎的な知識の定着や、学んだ知識を活用する力に課題が見られ、また、時間不足からか、手つかずで終わった問題の割合が高かったことなども課題であると考えております。  学習や生活習慣に関する調査では、本県の子供たちは、地域行事への参加の状況が、小中学校ともに全国よりかなり高い水準を示しており、子供たちと地域社会がよい形でつながっていると思われます。しかし、学校の復習をしていると回答した割合が低い状況にあるなど、家庭での学習習慣を身につけさせることも課題の一つととらえており、今後、保護者の理解も得ながらの継続的な取り組みが必要と考えているところであります。  次に、2点目のこれまでの取り組みの成果と、今後、学力向上に向けてどのように取り組むかについてでありますが、学習や生活習慣に関する調査におきまして、学校種による多少の違いはありますが、県全体では、授業の内容がよくわかると回答した子供たちや、勉強ができるようになりたいと回答した子供たちがふえるなど、多くの調査項目において前年度より肯定的な回答がふえていることは、成果であるととらえております。  このことは、各市町の教育委員会、学校において調査結果を分析し、授業改善等に一層取り組んでいただいたことによるものと考えております。  また、昨年度、県指定を受けた授業改善モデル校として学力向上に取り組んだ学校においては、多くの学校で成果が見られ、すべての教科において正答率が前年度よりも改善された学校もあらわれており、こうした効果的な取り組みを県内に広げ、授業や教育活動に取り入れていただくよう努めているところであります。  今後の学力向上の取り組みにつきましては、県全体としての大きな課題を、国語力の向上と家庭学習の定着の2つに絞り、具体的には、研究指定校による授業改善の取り組みを展開するとともに、県総合教育センターでは、引き続き指導方法の研究や、より効果的な調査分析システムの開発を行ってまいります。  県教育委員会といたしましては、これらの成果を広く県全域に普及させることで、各学校の取り組みを支え、滋賀の子供たちの確かな学力の育成に努めてまいりたいと考えております。  次に、不登校の状況についての御質問にお答えします。  まず、県内の公立小中学校における不登校の状況についてでありますが、今回の調査結果によりますと、県内の公立小中学校では、不登校児童生徒が前年度の1,798人から1,640人となり、158人減少し、全児童生徒に対する割合においても、前年度の1.43%から0.13ポイント減少の1.30%と、平成10年度以降最小値となり、改善の兆しが見られてきました。  次に、今回の結果をどのように分析し、今後どのように取り組んでいくのかについてでありますが、県教育委員会といたしましては、これまでから、不登校の問題は本県教育の重要課題ととらえ、市町教育委員会とも連携を図りながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置事業、各学校の教育相談体制の充実を図る事業等、さまざまな施策を講じてまいりました。  これらの施策と、教職員の地道な努力が一体となることで、各学校において、不登校状態の子供が登校できるようになったり、不登校の未然防止や早期対応の取り組みが充実したりするなど、成果に結びついたものととらえております。  特に、不登校状態の子供の改善につきましては、教職員の家庭訪問やスクールカウンセラー等によるかかわりの結果、別室や放課後を含め登校できるようになるなど、好転が見られた児童生徒の割合は、小学校では38.6%、中学校では44.4%と、全国平均よりもかなり高い数値で推移し、今後とも、児童生徒一人一人に対応した適切な支援を講じてまいりたいと考えております。  しかしながら、依然として本県の不登校児童生徒の割合は全国と比較して高い値でありますことから、わかる授業の展開や、豊かな体験活動の実施などによる魅力ある学校づくりを通して、不登校の未然防止に取り組むとともに、子供たちの小さな変化を見逃さない、早い段階からのきめ細かな組織対応を通して、早期対応にも積極的に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(辻村克君) しばらく休憩いたします。   午後2時47分 休憩    ────────────────   午後3時17分 開議 ○議長(辻村克君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  最後に、1番奥村芳正君の発言を許します。
    ◆1番(奥村芳正君) (登壇、拍手)自由民主党・湖翔クラブを代表いたしまして、元気な滋賀をつくるため、県政の抱える重要課題について質問をさせていただきます。県民の皆様にわかりやすい御答弁をお願いいたします。  一昨日、民主党を中心とする鳩山連立政権が成立いたしました。民主主義の大原則とも言える、主権者である国民の投票による総選挙の結果を受けてのことであります。有権者の期待にこたえ得る国政のかじ取りに御期待申し上げますとともに、間違いのない政権運営をお願いするものであります。  さて、この政権誕生後は、いよいよ選挙で示された民主党の政権政策に従って施策が進められることになります。着実なその実現を求めますとともに、それによって国民生活や将来の国のシステム、また、本県の県政運営に支障を来たすことのないことを望むものであります。  そこで、まず、政権交代と県政運営について、知事に伺います。  本県においては、総選挙の結果を受けて、政権発足を待たずして滋賀県新政権戦略チームを設置されました。そこで、まず、チームについて、以下の2点を伺います。  まず、1点目は、設置により具体的に何をしようとしているのでしょうか。その目的と、現在までの検討状況、事項はどのようになっているのか、伺います。  次に2点目として、新政権の政策を受けて、今日までの県政運営に大きな方針変更が必要となるなど、影響も予測されますが、チームとしてどのように検討していくのか、伺います。  政権政策が具体的に実行された場合、今後の県民生活への影響で気になる点が幾つかあります。それらすべてを挙げるわけにもいきませんが、例えば、国の補正予算の見直しが今回の県補正予算や景気回復、地域活性化に与える影響や、高速道路無料化による総合交通体系や地球温暖化への影響、また、FTA交渉や新農業政策による本県農業のあり方など、さまざまに懸念される事項があります。  具体的な実施時期や、その詳細が明らかでない現時点では、その影響を予測することは困難であろうとも思います。しかし、その方向性が約束されており、いずれ実施されるであろう課題について、県への悪影響が懸念される場合には事前の対応が必要であります。具体的内容が示されてからでは遅い場合もあります。  そこで知事に伺います。政権政策が実施された場合、県としてどのような影響があると考えられるのでしょうか。また、実施に当たって、県から言うべきことはどのようなことがあるのでしょうか。できる限り具体的政策に従ってお答え願います。  次に、県政の大きな変化とその後の対応について、知事に伺います。  平成18年7月以来、嘉田知事によって、それまでの県政運営から大きく方向転換した課題が何点かありました。それらは、選挙戦でのマニフェストによって知事が有権者と約束されたことに基づいたものであり、その実現を図られることは当然のことであります。しかし、今回の衆議院議員総選挙の各党マニフェストにも見られるように、そのすべてをそのまま実施することが果たして可能なのか疑問視されるものや、そのことによる影響が十分検討されていないのではないかと思われるものもあります。  また、マニフェストを選択した結果が選挙結果であるとはいえ、有権者は、そのマニフェストすべてに賛成したとは限らず、特定項目の実現を希望したということもあります。  それゆえ、我々もそれらの政策転換が妥当であるのか、その後の対応がしっかりなされる保証があるのかなどを本会議においてただして、その結果、幾つかの政策転換がされたところであります。方針が決定された以上、その方針に従って具体的に県民の利益につながる県政運営がなされるように、知事の考えを伺い、また、我々からの提言もしていくというのが、我が会派の基本的なスタンスであります。  そこで、今なお最終方針が不明確な、以下の各課題に対して、嘉田県政の最終年に当たってどのように対応しようとされているのかを改めて知事に伺います。  まず、新幹線新駅の中止に伴って、知事に伺います。  新幹線新駅設置の中止により、解決の必要な諸課題として、大津市を含む関係6市および栗東市の支出に対する負担や、栗東新都心土地区画整理事業に対する問題、また、県南部地域の振興策が挙げられています。これらのうち、財政負担についても、6市は解決済みで、残る栗東市についても、平成19年度までの支出に係る負担、支援について、平成21年3月の県と市の基本合意に基づき16億円を締結され、今回提案された補正予算により、残りの10億円の対応が図られようとしています。  しかしながら、栗東市においては、新駅と一体で進めてきた栗東新都心土地区画整理事業がやむなく平成20年12月に廃止され、平成21年度にはこれに伴う原状復旧の実施や地権者への補償基準の作成、新駅中止後の新たなまちづくりである後継プランを策定する等の中で、地権者への対応に向けて鋭意努力されております。同時に栗東市では、行財政への影響や、市民、地元、地権者からの行政不信、不満、今後の土地利用への不安に対する対応など諸問題を今なお抱えられている状況であります。また、本年9月に策定予定とされる(仮称)南部地域振興プランの実施計画もいまだ示されておりません。もちろん、それに必要とされる費用も不明確であります。  こうした中、嘉田知事はさきの提案説明の中で、東海道新幹線新駅課題対応基金は、県南部地域の振興や土地区画整理事業への対応に一定の方向性が見えた段階において基金の取り扱いを検討するとし、11月県議会には、この基金の取扱方針を明らかにし、条例の改廃を提案する考えを示されました。このことは今までにも報道機関に取り上げられ、栗東市を初め、関係する各市の不安と困惑の波紋が広がっており、関係7市ならびに栗東市議会の総意により、諸課題の早期解決と当該基金の存置の申し入れをされたところでもあります。  本来、当該基金は、平成19年10月28日の東海道新幹線(仮称)南びわこ駅設置促進協議会総会における会長報告事項の中で嘉田知事は、「滋賀県は、協定類の終了に係る諸課題を考慮し、当分の間、東海道新幹線新駅等施設整備促進基金を存置する」と明言されました。さらに、新駅中止後の後継プラン策定等の諸課題に対応する財源枠として存置する考えであることを示されてきました。  地元栗東市を初め、関係者の戸惑いと、県に対する不信は非常に大きなものがあります。去る15日に開催された地元説明会においても、基金の取扱方針や、お年寄りから子供まで、だれにでもわかる後継プランにはほど遠い説明といった強い反発があったと報じられております。  そこで、以下3点について、知事の見解を伺います。  まず1点目は、新幹線新駅中止後、既に2年が経過しようとしていますが、いまだに新幹線新駅中止後の県南部地域の将来像を示す(仮称)南部地域振興プランが具体化していない現状であります。このプランは、新幹線新駅にかわる今後の県南部地域の発展に欠くことのできないものであり、県の責任ある、積極的かつ主導的な取り組みと、当該基金の活用による着実な実施が求められますが、こうした観点から、知事の考えを伺います。  2点目に、新幹線新駅中止がもたらした栗東市財政への影響や諸課題の解決には、県の責任を免れることはできず、信頼関係の構築のためにも、県の誠実な対応のもと、後継プラン策定や実施に向け、一定の方向性を早期に示し、理解を得ていくことが必要であります。いまだ十分な解決が図られていない今の段階で、11月議会でこの基金の改廃に言及されることに、今後の進め方を懸念するものでありますが、知事の考え方を伺います。  さらに3点目としては、知事は地元地権者の方々に、9月までには道路を含む具体的なプランを描いて示させていただくとされていますが、みずからの責任において、御自身が地元に出向いて後継プランを示し、説明していくことが必要であると思いますが、知事の考えを伺います。  次に、ダム計画中止、凍結に伴うことで伺います。  まず、大戸川についてでありますが、本年3月31日に策定された淀川水系河川整備計画では、大戸川ダムは、中上流部のみならず、下流流量も低減させる効果を有する洪水調節施設として整備を行うものと位置づけられたものの、ダムの本体工事は当面実施しないとされ、凍結となったところであります。これは、4府県知事意見を大いに尊重した結果であるとされています。  しかし、流域住民は、これまでこの地に住み、大戸川のはんらんによる甚大な被害を受けており、今後も、あす起こるかもしれない洪水の不安と戦っていかなければならないと、今もなお切実な訴えをされているところであり、その不安の解消には何ら見通しが立っていない現状であります。  知事は、流域住民の皆さんの願いであります大戸川の治水安全度を確保するために、早急に滋賀県において大戸川の河道計画の検討を進めてまいりたいと考えておりますとされました。また、県としてもできるだけ早く京都府、大阪府と本格的な事務レベルの協議を進めたいと考えておりますと議会答弁されているところであります。  大戸川の550トン河道改修を行うためは、淀川水系河川整備計画の策定、すなわち国および下流大阪府、京都府との協議が必要となり、その協議に対する懸念が再三指摘されていたところでもあります。そこで、それらの現在の進捗状況ならびに今後の維持補修も含めた河川改修、治水安全度向上の見通しについて、知事に伺います。  次に、芹谷治水ダム建設事業の中止に伴う治水対策についてでありますが、芹谷治水ダム建設事業については、本年1月14日に中止が決定されたところであります。  知事は、滋賀県公共事業評価監視委員会の意見も踏まえ、芹川については、100分の1の将来目標達成に対しては、ダムプラス河川改修が有効な手段の一つであることに変わりありませんが、当面の整備目標を達成するため、まず、河道内の堆積土砂等の除去により、流下能力の向上を図ることとしたところと議会答弁されているところであります。  しかしながら、地元住民は、今後においても治水安全度に大きな不安を持ち続けなければならず、甚大な洪水被害の危険と背中合わせの生活を強いられることになり、芹川の治水対策が喫緊かつ重要な課題として、彦根市などはダム建設を求めておられます。これは、当面の河道改修による流下能力の向上が、果たして、いつどの程度進むのか、それが本当に安全なものなのかという懸念が払拭できないからであります。  中止を決定した県には、その不安を解消すべく、県民の信頼にこたえる責務があります。そこで、それらにこたえるために、芹川の治水対策の具体的な見通しについて、知事に伺います。  次に、芹谷治水ダム建設事業の中止に伴う、芹谷地域の地域振興についてでありますが、県は、芹谷治水ダム建設事業の中止を決定し、ダム建設予定地である芹谷地域の振興を図るため、2月1日付で庁内に滋賀県芹谷地域振興推進本部を設置されました。また、地域振興計画の策定や事業の推進を図るため、芹谷ダム建設事務所を廃し、芹谷地域振興事務所を設置されたところであります。  水没予定地であった水谷地区の家屋の老朽化や、おくれている社会的インフラ整備など、水没予定地およびその周辺地域ではさまざまな問題が生じており、時間の経過とともに、さらに深刻化しています。2月議会において知事は、芹谷地域の振興対策は重要な課題であり、早急に進めなければならないとの認識のもとで、一日も早く協議会を立ち上げ、この夏ごろまでには、地元の実情に合った地域振興計画を取りまとめられるよう努力してまいりますと答弁されているところであります。  秋風が吹く今日、この協議会と芹谷地域振興計画の策定について、どのような状況になっているのでしょうか。また、今後の見通しについて、芹谷地域振興推進本部長でもある知事に伺います。  次に、造林公社問題検証委員会の報告を受けての見解を伺います。  去る9月4日に、造林公社問題検証委員会の最終報告書が知事に提出されました。この委員会は、昨年9月に、特定調停を進めていた滋賀県造林公社およびびわ湖造林公社の旧農林漁業金融公庫への債務について、県が免責的債務引き受けを行うことになり、県が公社の借入金を肩がわりし、今後42年もの長期間にわたって690億円もの多額の債務を負担することになったことについて、一体何が原因であったのかを検証するために設置されたものと理解しております。  昨年12月以降、ほぼ10カ月にわたって検証が行われたわけでありますが、報告書によりますと、国の拡大造林政策、旧農林漁業金融公庫の融資、県の琵琶湖総合開発や、両公社による大規模造林と、その事業見直しのおくれなど、それぞれ関係機関に経営悪化の要因があるものとされ、その責任が指摘されております。  中でも県や公社については特に、社会経済情勢や木材市場の変化の中で公社の経営悪化について有効な対策を打たなかった点、また、昨年の免責的債務引き受けに関して、結局はすべての負担を県が行うことになった点など、その責任が指摘されているところであります。  そこで知事に伺います。知事としては、こうした厳しい指摘のされている造林公社問題検証委員会の報告をどのように受けとめておられるのでしょうか。特に、県および知事の責任についてどのように考えておられるのか。結果責任との指摘をどのように理解しておられるのか、伺います。  次に、この報告は、これまでの経営悪化の要因を明らかにするという目的で行われたものではありますが、その結果を受けて反省すべきところは反省し、改めるべきところは改め、それを県も公社も今後に生かしていかなければ、意味がありません。県および公社では、現在、公社の改革に向けて、債務の圧縮に向けた特定調停を進めているところと承知しておりますが、まだその結果は明らかになっておらず、改革の姿はいまだ見えておりません。  平成16年の包括外部監査の指摘に続き、去る8月21日に出された行政経営改革委員会の提言においても、両公社の廃止も含めた抜本的見直しが指摘されております。保育などの諸事業の外部業務委託なども、いまだに進んでいません。  そこで知事に伺いますが、今回の報告を受けて、今後の公社の改革にどのように生かしていかれるのでしょうか。  また、開始、実施過程、債務処理段階で責任割合が異なるものの、国、旧農林漁業金融公庫、県、両造林公社、下流団体それぞれに責任があり、すべての関係者が主体的に責任を認める対応が必要とされています。公庫、下流団体とは特定調停中であるものの、どのようにして主体的に責任を認めてもらおうとされるのか、伺います。  次に、この報告では、国については、林業公社を使い、資金として旧農林漁業金融公庫の融資を充てて拡大造林を進めようとしてきた政策がそもそもの発端であるとしており、また、公庫が融資を続けてきたことが問題であったとしております。もしそうならば、国や政策金融機関としての公庫も当然の責任を分担すべきであり、全国都道府県議会議長会において滋賀県議会議長からの提案により国の特別立法を求めていることも、まさにそのためであります。  そこで知事に伺いますが、この報告を受けて、国や公庫の責任と、それに応じた負担についてどのように考えておられるのか。また、今後、国に対してどのような対策を求めていかれるのか、伺います。  最後に、報告書全体からすれば、将来の林業に対する展望がさらに厳しいものと感じられます。特に民有林の保育が果たして着実になされるだろうかとの不安も感じさせます。CO2対策などの環境分野を初め、多面的機能を有する森林の今後の育成に、県はどのように対処しようとされるのかを改めて伺います。  次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について伺います。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題については、平成11年10月の高濃度硫化水素ガス検出から、間もなく10年を迎えようとしています。この間、県により、当該法人および同役員に対する措置命令等が発令されましたが、原因者である当該法人の破産等もあり、問題の根本的な解決には至っていません。さらには、地下水汚染は現在も続いており、抜本的な対策がないままに、この問題は市民生活に不安を与え続けています。  また、よりよい原位置浄化策を実施計画の基本とすることについて栗東市に再三の要請を行い、栗東市において意思決定されたにもかかわらず、知事は2月定例会において、恒久的対策工の平成21年度予算化を見送る判断を示されました。その後は、住民の合意と納得を得るための話し合いの中で、問題解決の打開策として県により提案された、第三者を交えた協議の場や、対策工の市民案提案については理解が得られず、膠着した状況が続いております。  産廃特措法の期限切れが迫る中で、さきの知事の判断は、結果としてこの問題を混乱、長期化させる原因となったのではないかとの声も聞かれております。地下水汚染など、地域住民の生活環境保全上の支障は早急に改善する必要があります。  昨年度の環境・農水常任委員会において、産廃特措法の期限を考慮すれば、平成20年秋が工法決定のタイムリミットであるとされ、よりよい原位置浄化策の実施のため、最大限努力すると言われていながら、新たな打開策がないまま、時間だけがむなしく経過しています。  県として、もはや一刻の猶予も許されない状況にあることを認識した上で、問題解決の糸口を見出すために、住民とどのように向かい合い、また、歩み寄る姿勢を示して住民の合意と納得を得るつもりなのか、県の考えを伺うものであります。  そこで、次の点について、知事の見解を伺います。  対策工の実施に当たっては、産廃特措法の適用が必要不可欠であると今日まで認識してきたところであります。産廃特措法について、県が恒久対策を決定、実施するためには、どうしても現行産廃特措法の延長が必要であると考えますが、産廃特措法の適用および延長についてどのように考えているのか、伺います。  また、処分場の土地については、対策工事完了後において速やかに県有地化を図ると明言されていましたが、その後の考え方について変わりがないのか、あわせて伺います。  本年5月27日付でRD問題周辺自治会連絡会より、恒久対策として、有害物の除去を要求する旨の要望書が提出されています。住民の合意と納得を得るための有害物の除去、さらには、有害物の全量撤去についてどのように考えているのか、伺います。  次に、住民との膠着した状態を改善するために、今後いかなる協議方針を持って住民の合意と納得を得るつもりなのか、解決に向けたスケジュールを示すべきではないか。さらに、知事御自身が住民と直接協議する意思があるのか、考えを伺います。  次に、財政構造改革プログラムについて伺います。  本県における今日までの行財政改革の取り組みを振り返ってみますと、稲葉県政後半の平成7年12月に、事務事業、補助金の見直しを柱とする3カ年計画、滋賀県行財政改革大綱がスタートしました。以来、國松県政、嘉田県政においても、行革大綱の名称は変わっても、約15年の長きにわたって、組織の見直し、定数削減、各種団体の統廃合、事務事業の見直しなどの取り組みがされてきました。  各大綱の実施期間である3カ年の進行管理と実績評価を行い、新行革大綱へ反映され、努力を重ねられてきたところでありますが、現在も、平成20年3月に策定された滋賀県財政構造改革プログラムに沿って改革を進めておられるところであります。  特に、この間、義務的経費である人件費についても、職員の理解を得ながら縮減に踏み込むとともに、事業費についても削減に削減を重ねられてきました。これを当初予算の規模で見ると、ピーク時の5,900億円が今や5,000億円を下回り、実に1,000億円も減少するまでに至っています。  しかしながら、県の財政は好転する兆しが見えるどころか、さきに発表された今後10年間の財政収支の試算でも、財源不足額は昨年以降の世界的な景気後退の影響などもあり今後さらに拡大するという、極めて厳しい県財政の見通しが示されています。依然として先が見えない深刻な状況に、このままでは、いずれ県政が立ち行かなくなるのではないかという、極めて大きな不安を抱くものであります。  言うまでもなく、財政構造改革は、こうした閉塞的な状況から脱却するために取り組まれてきたものと認識しているものですが、現実はどうかというと、残念ですが、そのようなものになっていないと見ています。  そこで、まず、これまでの長年にわたる財政構造改革の取り組みが、滋賀県の未来を支える持続可能な財政基盤の確立といった観点から果たして十分なものであったかどうか、その総括について明らかにしていただくため、知事の所見を伺います。  また、これまでの改革では、中期的な収支の見通しのもと、見込まれる財源不足が解消できるよう、選択と集中や、めり張りのきいた見直しなどといった基本的な指針を示し、見直し作業を行ってこられたものであります。しかしながら、これまでの見直しを見る限り、事業そのものの見直しというよりは、事業全般にわたって、その経費をそぎ取るようにして削減してきた感が否めないのであります。  もちろん、無駄な経費については、事業費の一部を縮減する形で見直す必要もあると考えるものですが、事業全般にわたって、こうした事業費の縮減は、真に県が対応しなければならない分野に必要な資源が十分に配分されないなど、県政のあるべき姿をゆがめるようなことになっていないかと非常に危惧するところであります。  知事は、さきの提案説明でも、平成22年度の予算編成に向け、滋賀らしさを埋め込み、県独自で工夫を重ね、歴史的に蓄積してきた事業などまで見直しを検討せざるを得ないという、苦しい胸のうちを明らかにされたところであります。しかし、今日のような県の厳しい財政状況にあってこそ、県として、どのような施策に重点的に取り組んでいくのか、そのビジョンを明確に示していくことが最も重要であると考えます。  そして、見直しについても、真に必要な施策に重点的に資源を配分するとの観点から、知事の強いリーダーシップのもと、事業の存続あるいは廃止に踏み込む見直しをすることこそが今求められていると考えるものであります。例えば、連携可能な部局の統廃合など、大胆な発想も必要ではないかと思うのであります。  当面する平成22年度予算編成に向けては、現行のプログラムからさらに事業費の削減を行わなければならない状況にあると仄聞しているところでありますが、今後、具体的にどのように見直しを進めていこうとされているのか、知事の所見を伺います。  最後に、外郭団体ならびに公の施設の見直しについて伺います。  本県財政は、平成22年度で約230億円、それ以降にあっても300億円を超える財源不足が生じると見込まれるということであり、危機的な財政状況が今後も続くものと危惧されています。今日までの、改革に向けたさまざまな努力にもかかわらず、今以上に厳しさが増す県財政の現状を見ますと、これまでの行政の役割や施策の進め方自体を大胆に見直していくことが、もはや不可避となっており、そうした改革に早急に取り組んでいかなければならないことは論をまたないところであります。  県におかれても、そうした改革の重要な取り組みの一つとして、外郭団体および公の施設についての見直しに昨年から取り組まれたところであります。去る8月21日には、滋賀県行政経営改革委員会大道委員長から、外郭団体31団体と公の施設を対象に、外郭団体および公の施設の見直しに関する提言が知事に提出されたところであります。提言の内容は、4団体7施設の廃止を初め、17施設の移管、売却など、改革を求めるものであり、改めて外部の視点から今日の社会情勢を踏まえた団体や施設のあり方を示していただいたものであり、来年度の予算編成に取り組むこの時期は、最も適した時期と認識するものであります。  知事は定例会冒頭の所信表明の中で、提言の内容を真摯に受けとめ、県が引き続き担うものは何かといった観点で、業務実態と利用状況をもとにゼロベースで検討し、あわせて外郭団体や公の施設は県民生活と深くかかわっていることから、県民の皆さんに丁寧に説明し、着実に改革を進めていくと決意を述べられています。  一方、知事マニフェスト、政策1−1で、すべての県事業、公社、50%以上の出資法人の事業を、聖域を設けず徹底して見直し、役割を終えた事業、必要性の薄い事業、民間が担える事業は廃止、縮小し、住民に密接な事業は市町へ権限移譲を徹底するとしています。  知事は、この政策を実行するという決意のもと設置されたものと思いますが、行政経営改革委員会での知事の発言記録を読ませていただいただけでも、明確な諮問理由を述べておられませんので、あえて伺います。知事は、行政経営改革委員会へ諮問された時点での思いが、この提言の中にどの程度反映していると考えておられるのか、伺います。  また、今回示された改革の内容を見ますと、その対象が幅広い分野にわたっており、県民生活に密接に関連していることから、この提言は、真に県民や社会のニーズに対応したものではない、あるいは、採算性と効率性に重点を置いたものであり、県の文化施策の方針を転換、後退させるなど意見が寄せられているところでもあります。  このように、見直しに伴う改革の痛みを初めとして、今後、さまざまな課題も予想されます。そして、年内をめどに県として見直し計画を策定するということでありますが、改革の肝心かなめの点は、いかに速やかにその実を上げるかというところであります。改革の実現に向けては、こうしたさまざまな課題にいかに対処していくかが重要であり、まさに知事の強力なリーダーシップが問われていると言っても過言ではありません。  そこで、今後、県としてどのようにして外郭団体と公の施設の見直しを進めようとされているのか、知事の決意を伺います。  次に、特に近年、指定管理者制度や既存の財団法人、社団法人についても、新公益法人への移行など、外郭団体を取り巻く環境は大きく変化してきております。そこで、外郭団体との今日的なかかわりについて、知事の基本的な姿勢を伺いまして、自由民主党・湖翔クラブを代表しての代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(辻村克君) 1番奥村芳正君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)自由民主党・湖翔クラブの奥村議員の代表質問にお答えさせていただきます。  まず、政権交代と県政運営についての3点の御質問にお答えいたします。  1点目の県の新政権戦略チームの設置により何をしようとしているのか、その目的と現在までの検討状況でございます。  一昨日、鳩山内閣が発足し、民主党がマニフェストに掲げる政治主導、地域主権の実現に向け、国政が大きく転換されようとしております。こうした中、県政に対してもさまざまな影響があると考えられるため、柔軟な発想で、部局横断的に検討していくための組織として設置したものでございます。  戦略チームにおいては、国に対して、地域の実情や県民の思いを反映した政策のあり方を提案していくため、まず第1に、新政権のマニフェストによる県政への影響の点検、2点目に、県内市町の新政権への意向の把握、3点目、県政の実態や課題を踏まえた、新政権への政策提案の検討、4点目、地域主権を実現する分権改革への提案の検討を進めていくこととしております。  また、現在までの検討状況ですが、まず、マニフェストの各項目ごとに、県政にどのような影響を及ぼすか点検を進めているほか、鳩山内閣の政策に関する情報収集等に努めているところでございます。  次に、2点目の県政運営に方針変更が必要となるなど影響も予測されるが、チームとしてどう検討していくのかとの御質問でございます。  鳩山内閣においても手さぐりの中で政権運営を進めようとされている段階であります。県としても、具体的な制度設計の内容を把握し、県政に与える影響を分析していく必要があります。また、県政への影響だけでなく、市町行政を初め、地域社会に与える影響なども分析していく必要があると考えております。  そうした検討の中から、地域の声を国に届けていくための情報を整理し、県としても政策能力を高めつつ、積極的に対応していくための戦略を考えていきたいと思っております。  次に、3点目の政権政策が実施された場合、県としてどのような影響があるか、県から言うべきことはどのようなことかとの御質問でございます。  まず、第1点目でございますが、補正予算の見直しにつきましては、厳しい経済・雇用情勢が続く中で、補正予算に計上された基金や交付金等については、地域経済を活性化し、国民の安心の確保に資するものとして、確実に実行していく必要がございます。  また、2点目の高速道路無料化については、一定の経済効果が見込まれる一方で、車の流れが変わり、高速道路の渋滞や事故の増加、出入り口周辺道路の混雑等が見込まれます。加えて、公共交通機関から自動車へとシフトすることも予想され、環境への影響や交通事業者の経営環境の悪化、新たな道路整備などの負担増も懸念されます。  次に、FTA交渉による本県農業への影響についてですが、農産物輸入額の大きい米国やオーストラリアなどは、FTA交渉において貿易の自由化を主張しており、これが締結されれば水田を中心とする本県農業において、集落営農組織や農村地域の共同活動、コミュニティーのあり方、さらには、担い手の経営までにも大きく影響するのではないかと危惧しております。  さらに、農家の戸別所得補償制度につきましては、生産調整に取り組む者とそうでない者との不公平感を払拭できるというようなメリットがある反面、今日まで育成してきた集落営農の維持や担い手の育成、あるいは基盤整備に支障を来さないか、懸念するところでございます。  こうしたことも含め、引き続き、県への影響について分析し、国に対して積極的に意見を申し上げるべきと考えており、県として、また、全国知事会や他府県とも連携しながら、そうした行動を具体的に行ってまいりたいと考えております。  次に、県政の大きな変化とその後の対応でございますが、まず、最初の新幹線新駅の中止に伴っての3点の御質問にお答えいたします。
     1点目の(仮称)南部地域振興プランへの県の積極的かつ主導的な取り組みと、新幹線新駅課題対応基金の活用による着実な実施についてのお尋ねでございます。  (仮称)南部地域振興プランについては、新幹線新駅を前提としない県南部地域の振興に係る中長期的な指針を、県および栗東市を含む関係7市とが共同で策定し、実施することとしているものであります。県としても、新駅計画の中止による影響を勘案し、南部地域振興会議の事務局として、責任を持ってこのプランの策定に取り組んでいるところでございます。  新幹線新駅課題対応基金については、これまでから県議会でも申し上げているように、諸課題に一定の方向性が見えた段階において取り扱いを検討することとしてきましたが、現行基金条例を改廃する際には、県南部地域の振興など、課題対応のために必要な財源を確保してまいりたいと考えております。  次に、2点目の後継プランについてでございますが、11月議会で基金の改廃に言及することに懸念するとのお尋ねでございます。  諸課題に一定の見通しを立てて所要経費を確保した上で基金の改廃を検討するためには、まず、地元の皆さんの御理解が必要と考えております。  後継プランについては、新幹線新駅中止後の新たなまちづくりに向けて、栗東市とともにプランの基本構想の策定に取り組んできており、地元地権者の皆さんにも、新たなまちづくりの方向性やイメージなどの説明をさせていただいているところでございます。現状では、地元の皆さんの御理解をいただいたとまで言える状況にはなっておりませんが、今後も栗東市とともに精力的に話し合いを重ね、11月県議会までには皆さんの御理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の地元に出向いて後継プランを説明することの必要性についてのお尋ねでございます。  日程調整を要することもあり、まだ具体的には決まっておりませんが、直接私から後継プランを説明させていただきたいと考えております。  次に、ダム計画の中止、凍結に伴っての3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の大戸川の今後の河川改修と治水安全度向上の見通しについてでございます。  大戸川については、中長期整備実施河川の検討において、整備を必要とするAランク河川として位置づけており、その河道計画の検討を進めております。大戸川の治水対策は、将来目標の治水安全度100分の1に対して、ダムプラス河道改修となっておりまして、河川改修は、その対策に基づく河道負担分毎秒550トンを目指すもので、流下能力が不足する区間において対策を講じるものでございます。これらを踏まえ、大戸川河川改修の整備実施の手順も含め、河川改修計画による下流宇治川、淀川への影響評価の検討を進めてまいったところでございます。  現在までの検討結果をもって9月4日には近畿地方整備局との協議を行ったところであり、今後、引き続き近畿地方整備局との調整を行うとともに、下流京都府、大阪府との調整を進めてまいります。  こうした手順を踏まえ、大戸川の具体の整備については、川づくり会議や、淡海の川づくり検討委員会において、住民の皆様や学識者の意見をお聞きし、地元自治体の長の意見を踏まえ、できるだけ早期に河川整備計画として取りまとめ、整備に着手していきたいと考えております。  一方、河川整備計画が策定できるまでにも、必要な維持管理にはしっかりと取り組んでいきたいと考えており、今年度も、堆積土砂の除去や竹木の伐採などを実施しているところでございます。  2点目の芹谷治水ダム建設事業の中止に伴う芹川の治水対策の見通しについてでございます。  芹川については、中長期整備実施河川の検討において、整備実施を必要とするAランク河川として位置づけており、当面、今後20年間の治水対策は、本年6月県議会で答弁しているとおり、河道内の堆積土砂等の除去により流下能力を回復することで、戦後最大洪水規模相当の治水安全度を確保することとしております。今年度は、JRから河口部まで約3キロメートル区間の河道内に繁茂している立木の伐採を終え、続いて除草を行うこととしております。  また、工事実施に当たり、河口部の堆積土砂の除去に伴う環境への影響が懸念されることから、工事実施時期や仮設道路の具体的な配置、工事中に水中施工となる区間の仮締め切りなどを検討し、下流部から堆積土砂の撤去に入りたいと考えております。  3点目の芹谷治水ダム建設事業の中止に伴う芹谷地域振興計画の策定について、どのような状況にあるのかとの御質問でございます。  芹谷地域振興計画の策定に当たっては、地元の意見が反映された事業を取りまとめるため、関係市町長や地元の代表者の参画を得た協議会を設置することとしておりましたが、まずは県から具体的な計画案を提示すべきとの要請を受け、現在、芹谷地域振興事務所で地元との話し合いを進めているところでございます。このため、現時点では協議会はまだ設置できておらず、夏ごろまでにはと申し上げていた地域振興計画の取りまとめはおくれているところでございます。  今後の見通しについてですが、今後の話し合いの中で、地域振興についての地元としての要望が提示されるものと考えており、その内容についても検討しながら、地元の意見が反映された地域振興計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、水没予定地の水谷地区では、現地での生活再建を目指す上で、老朽化している家屋の改修、改築等が最も重要な課題であるとの意見を伺っており、県としても、地元に住み続けていただくための最も身近な地域振興策の一つであると考えております。  また、地域振興計画の各事業の実施に当たっては、関係市町が事業主体となっていただくものもあり、地元との話し合いと並行して、関係市町長との協議を進めることとしております。  このような状況から、地域振興計画の取りまとめにはもう少し時間が必要となりますが、地元の皆様の御意見を真摯に受けとめ、関係者との合意形成をできるだけ速やかに図ってまいりたいと考えております。  次に、造林公社問題検証委員会の報告を受けての御質問にお答えさせていただきます。  まず、検証委員会の報告をどのように受けとめ、特に、県および知事の責任をどう考えているのか、結果責任の指摘をどう理解しているのかとの御質問にお答えいたします。  今回の報告書では、この問題が滋賀県だけでなく全国共通の構造的要因に起因していることが改めて明らかにされ、また、造林公社の経営の仕組み、県としての事業の見直しなど、さまざまな問題点があったとの御指摘をいただきました。両公社の設立者であり、また監督者でもある県は、当事者として責任があるとの御指摘については、真摯に受けとめております。  特に、今回の旧農林漁業金融公庫債務の処理において免責的債務引き受けに至ったことについては、さまざまな要因がございますが、結局は、すべての負担を県が負うことになった点での結果責任があるとの御指摘は、大変重いものと考えております。  結果責任については、昨年9月の臨時議会で私自身、結果的に、このような多額の負債をこれから返済していかなければならないということに対して、県政を預かる知事としての責任を重く感じ、この問題に立ち向かっているところでございますとお答えさせていただきましたが、今回の報告を受けて、ますますその思いを強くしております。  免責的債務引き受け以降、財政負担の軽減を求めて、他府県と連携して国への働きかけを強めたことによって、地方財政措置の拡充を見たところでございますが、今後も引き続き、国に対して支援を要請していく必要があると考えております。  また、県の森林政策との連携のもと、公社みずからの弁済能力を高め、県民の負担を少なくしていく努力を続けることも、私に求められた責任であると理解しております。  次に、2点目の検証委員会の報告を受けて、今後の公社の改革にどう生かしていくのかとの御質問にお答えします。  県の森林面積全体の10%を占める公社営林は、木材生産のみならず、水源涵養や二酸化炭素吸収など多面的な機能を発揮することが必要であり、そのためには、公社がその管理、活用を効率的に行える管理主体となることが重要です。検証では、特に公社の経営の仕組み、県としての事業の見直しなどにさまざまな問題点があったとの指摘がなされておりまして、経営計画に基づくチェックの仕組みがなかったことが大きな原因であったと考えております。  それゆえ、2月議会で可決いただいた社団法人滋賀県造林公社および社団法人びわ湖造林公社の健全な経営の確保のための県の特別な関与に関する条例に基づきまして、公社において長期的な経営見通しと、具体的な数値目標も含む中期計画を策定し、その進捗状況を公社が自己評価し、県がチェックした上、議会にも報告申し上げることにより、誤りのない公社経営に努めてまいりたいと考えております。  具体的には、長期的な見通しの策定に当たっては、社会経済情勢の変化に対応し、公社営林の多面的な機能を発揮させることをより重視するとともに、中期計画では、森林整備や木材生産、販売などの事業、実施に当たっての森林組合などの林業事業体との組織的連携のあり方などを含めた具体的な計画を盛り込むよう、今後、十分に議論を深めてまいる所存でございます。  次に、3点目のすべての関係者が主体的に責任を認める対応が必要とされているが、どのようにしてその責任を認めてもらうのかとの御質問でございます。  今回の報告においては、本県がこれまでから主張しているように、この造林公社の累積債務問題は、滋賀県のみでなく、全国共通の仕組みから発した構造的な問題であるということが改めて明らかにされました。これを受けて、特に国、旧農林漁業金融公庫については、県民の理解を得ながら、また、同じ問題を抱える関係府県とも連携し、さまざまなチャンネルを活用して、国に対して粘り強く働きかけていきたいと考えております。  その意味で、ことし1月の都道府県議会議長会による特別立法の提案や、さきの6月議会での意見書の採択は大変心強いものであり、引き続き御支援をお願いしたいと思います。  また、下流団体に対しては、琵琶湖の水源涵養機能を高めるという公社の目的に賛同し加入されたという歴史的経緯を踏まえ、これまでも公社の社員として応分の負担をお願いしてきたところでございまして、引き続き特定調停の場で働きかけていきたいと考えております。  また、4点目の御質問ですが、造林公社問題検証委員会の報告を受けて、国や旧農林漁業金融公庫の責任と、それに応じた負担についてどう考えるのか、今後、国に対してどう対策を求めるのかについてでございます。  検証においては、この債務問題は、国の造林政策の一環として進められた、林業公社、公庫融資、分収造林というビジネスモデルからくる全国共通の問題であることをこれまで申し上げてまいりました。昨年度の免責的債務引き受けを契機に、本県などの提案を受けて、昨年11月に国と地方の代表による、林業公社の経営対策等に関する検討会が設置され、その結果、特別交付税措置の拡充などが図られたところでございます。しかし、債務そのものの減免など、既往債務問題の抜本的解決に向けては、まだ課題が残っております。  今回の検証結果では、国、公庫、県、両公社、下流団体にそれぞれ責任があるとされており、言いかえれば、県のみが債務を負うことについては妥当ではないと指摘されていることを踏まえ、引き続き関係府県と連携しながら、既往債務問題の解決に向けた抜本的かつ恒久的な対策について、国に政策提案をしていきたいと考えております。  最後に、5点目の森林の今後の育成への県の対処についての御質問でございます。  県では、森林の持つ多面的機能を持続的に発揮できるように、琵琶湖森林づくり条例の理念と、琵琶湖森林づくり基本計画に基づき、従来事業と琵琶湖森林づくり県民税を活用した事業を、車の両輪として森林・林業施策を展開しております。本県の人工林が成熟しつつある中で、県産材の利用促進を図ることがますます重要となっております。施業の集約化、路網の整備、高性能林業機械の導入による低コスト施業の定着、および円滑な流通を目指した生産・流通拠点の整備に取り組んでいるところでございます。  これまで滋賀県は、どちらかというと里山的利用を主といたしまして、木材流通産業などが未発達な傾向がございました。そのような中で、流通、川上から川中、川下までの一連の整備を行うことは、平成27年以降切り出しが始まります造林公社の経営の改善に向けて大変重要な社会基盤であると考えております。  このような中で、県下のさまざまな地域で地元の木材を使用した家づくりや木材公共施設が建築されるなど、地産地消の動きも徐々に出てきております。一方、森林は地球規模での温暖化防止に重要な役割を担っていることから、全国規模で木材の新たな用途開発やオフセットクレジット制度、あるいは、いやしの場としての森林セラピーなど、森林の新たな活用、新たな取り組みが始まっております。  本県においては、こうした新たな取り組みを視野に入れながら、環境林や長伐期林に誘導するなどの、生態系や環境に配慮した森林づくりに、地域の特性を生かしながら積極的に取り組んでまいる所存でございます。  次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、5点の質問にお答えいたします。  まず、1点目の産廃特措法の適用および延長についてどう考えるかとの御質問でございます。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題を解決するための対策工については、廃棄物処理法に基づき、事業者にかわり県が代執行として行うものでありまして、この事業は、産廃特措法の適用を受け、国からの財政支援を受けて実施しなければならないと考えております。  このため、産廃特措法の延長が実現するよう、今後も引き続き、本県のアール・ディエンジニアリング最終処分場問題の現状や取り組みを訴えながら、国に対する政策提案を行ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の処分場土地の県有地化を図るとの考え方に変わりはないのかとの御質問ですが、県が提案しております、よりよい原位置浄化策では、対策工事の完了後も、処分場の安定化まで長期間の水処理施設の運転が必要であり、周辺住民の皆さんの御心配を解消するため、将来的には県が土地を所有することを視野に入れることを提案したものでありまして、その考えに変わりはございません。  次に、3点目の住民の合意と納得を得るための、有害物の除去、さらに有害物の全量撤去についての考えでございます。  先ほども申しましたが、恒久対策は、行政代執行として対策事業を実施し、産廃特措法による国の支援を受けて実施していくものと考えておりまして、このことから、効果的で合理的な方法を採用する必要があります。県が示した、よりよい原位置浄化策においては、水処理施設を運転し有害物を除去するとともに、固まって見つかった有害物は、処分場の早期安定化の観点から除去するとしております。  住民の皆さんの有害物の除去に係る対策案がどのようなものであるかについては、現在お尋ねしている段階でありまして、周辺7自治会として具体的な対策案をお示ししていただければ、第三者を交えた協議の場において県案と比較検討し、住民の皆さんの案が効果的で合理的であれば、柔軟に対応していきたいと考えております。  さらに、有害物の全量撤去につきましては、有害物除去を行うための廃棄物の全量掘削や全量撤去を行うことは、技術面や財政面などからも、また、総合行政を担う立場から県民への説明責任も果たせないと考えております。  次に、4点目の膠着状態を改善するために、今後いかなる協議方針を持って住民の合意と納得を得るつもりなのかとの御質問でございます。  本年4月以降、周辺自治会の皆さんと協議を進める中、中立的第三者を交えた協議の場の設置について、世話人会や準備会の設置などを柱とする県試案を取りまとめ、具体的に提案して、その設置についてお尋ねしているところであります。同様に、住民の皆さんの有害物除去対策案についても、その考え方や技術面、また、その概要について具体的にお尋ねしているところでございます。県としては、住民の皆さんの御意向をお聞きした上で、今後の方針を検討してまいりたいと考えております。  5点目の知事自身が住民と直接協議する意思があるのかとの御質問でございますが、本年4月からの説明会において、住民の皆さんに、中立的な第三者を交えた協議の場の設置を提案し、御意見をお尋ねしているところであります。今後、その推移を見て、適切に判断してまいりたいと考えております。  次に、財政構造改革プログラムについて、その総括でございます。  本県では、まさに議員御指摘のように、過去15年近くにわたりまして、厳しい財政状況に対応するため、数次にわたる行財政改革に取り組み、人員削減や職員給与の独自カット、投資的経費の大幅な縮減など、歳入歳出全般にわたり徹底した見直しを行ってまいりました。その結果、約6,000億円あった一般会計規模の1,000億円ほどの縮減を行い、現在、約5,000億円となっております。  仮に改革の取り組みを行っていなければ、本県財政は今以上に厳しい状況に置かれていたこととなり、そもそも県の財政そのものが破綻していたのではないのかと思います。そのような意味で、これまでの取り組みは一定の成果を上げてきたものと認識しております。  一方で、平成16年度から始まった、三位一体改革による地方交付税の大幅な減額や、改革期間中における予期せぬ景気の落ち込みによる県税収入の減少の影響などにより、依然として巨額の財源不足が生じる状況となっております。  持続可能な財政基盤の確立のためには、県の自助努力だけでは限界があることから、国に対しては、分権化の実現、とりわけ地方交付税の増額や、さらなる税減移譲、また、国直轄事業負担金の廃止などについて、引き続き強く求めてまいりたいと考えております。  次に、平成22年度当初予算編成に向けて、今後どのように見直しを進めていこうとしているのかとの御質問でございます。  危機的な財政状況に対応するためには、歳入歳出全般にわたって見直しを検討する必要があり、現在、庁内での検討作業を進めております。見直しに当たりましては、基本構想の戦略的な取り組みとして掲げた、県民の「生命(いのち)」を守り、「不安」を「安心」に変える政策を初めとする5つの重点テーマを踏まえ、見直すよう指示したところでございます。  また、その方法につきましては、行政改革の方針に従い、県民協働をより一層進め、そのプロセスを県民の皆さんに見えるようにする「見える化」という手法を採用するよう、基本方針として提示したところでございます。  そのような中で、例えば県民協働につきましては、今年度から、各部局からテーマそのものを提案し、住民、NPOあるいは中小企業の皆さんなどに取り組んでいただけるような応募型事業、また一方、NPO、住民の皆さんから提案していただく提案型の両者をもとにしながら、住民協働の仕組みに取りかかろうとしております。  そうした中で、何を残し、何をやめるのかという厳しい選択を迫られているわけでございますが、最小の費用で最大の効果、財政的効果だけでなく、かかわる皆さんが精神的にも社会的にも満足を持っていただけるような効果を目指して、持続的な県政経営を行うための土台をしっかりと築いてまいりたいと考えております。  今後、具体的な見直しの内容について、可能な限り速やかに取りまとめ、議会を初め、市町等関係機関にお示ししてまいりたいと考えております。  次に、外郭団体および公の施設の見直しについての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の行政経営改革委員会の提言に私の思いがどの程度反映しているのかとの御質問でございます。  昨年11月、子や孫にツケを残さない健全財政を実現するため、人的、財政的関与の縮小も含め、将来に向けて、しっかりとした改革の道筋をつけていかなければならないとの決意のもと、行政経営改革委員会に見直しの検討をお願いいたしました。  行政経営改革委員会においては、近年の社会情勢や法制度等の環境変化なども踏まえながら、個々の団体や施設の状況を御検討され、4団体7施設の廃止や17施設の移管、売却を初めとする、思い切った改革を求める内容の提言をおまとめいただいたところであり、基本的な方向は私の思いと同一線上にあると理解しております。  次に、2点目の今後の見直しを進めるに当たっての決意についてでございます。  将来にわたって見込まれる厳しい財政状況の中、社会経済情勢の変化に柔軟に対応しつつ、より効果的に施策を実施していくためにも、限られた財源をどう配分するか、その選択が求められておりまして、いただいた提言を重く受けとめ、年内をめどに、今後5年間の見直し計画の策定を進めていきます。  私としても、今後、なぜそれぞれの見直しが必要であるのか、なぜその結論に至ったのか、議会や県民、市町の皆さんに丁寧に説明しながら、将来の滋賀を見据え、覚悟を持ってこの改革に取り組んでいく所存でございます。  次に、3点目の外郭団体とのかかわりの基本姿勢についてでございます。  今回いただいた提言において、外郭団体に対する県のかかわりとしては、3点の方向性をお示しいただいております。1つは、外郭団体との役割と責任の明確化、2点目、透明性の高い連携協力関係の構築、3点目、経営状況の的確な把握の3点でございます。  私も、県と外郭団体とのかかわりについては、提言の御意見と基本的に同様の考えでありまして、外郭団体との適切なかかわりのもとで、団体の自主性、主体性を生かした活動が、より活発に展開されるような関係づくりを目指してまいりたいと考えております。  以上、自由民主党・湖翔クラブ、奥村議員の代表質問にお答えさせていただきました。 ○議長(辻村克君) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(辻村克君) お諮りいたします。  明19日から27日までは、議案調査等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(辻村克君) 来る28日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時31分 散会    ────────────────...